2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧

帝鑑間(ていかんのま)

「明治は遠くなりにけり」と明治百年の頃はよく言われた。しかし、その明治もすでに150年の彼方に霞んでいる。ましてや江戸時代である。明治の先の時代は、遠い時間の湖の底に沈んでいるようなものだろう。 だから、江戸期の文献や芸能・美術・工芸などをい…

若造たちのやること

原田伊織『明治維新という過ち』(毎日ワンズ)を読んでいる。この本を読む経緯にはすったもんだがあったのだが、それはまだその渦中にあるので、ほとぼりが冷めてから書きたい。 さて、その内容である。強引に一言でまとめれば「幕末維新史の全否定」という…

「明治」という国家

『「明治」という国家』。言わずと知れた司馬遼太郎の明治国家論である。平成元年に日本放送出版協会から出版され、その後、ずっと再版が重ねられている。友人の情報ではこの作は電子書籍にもなっているらしい。 この本を来月早々に実施する読書会の課題図書…

事件とか事故ばっかりで嫌なんスけど

石川県で交通事故が発生した。 http://news.yahoo.co.jp/pickup/6209111 《27日午後4時40分ごろ、石川県宝達志水町柳瀬の国道249号交差点で、盗難車両としてパトカーから追跡されていた職業不詳の少年(19)=同県かほく市=運転の軽ワゴン車が、…

津久井事件

もうすでに触れられていることだが、この事件が戦後最悪の殺人事件となった。朝日新聞の見出しでは「犠牲者数 平成の事件で最悪」と書かれている。戦前まで含めたり、昭和というくくりでいうと、あの「津山三十人殺し」(昭和13年)という極めて凄惨な事件が…

着物

昨日、話題にした「芸術新潮」は棚にあった。たまたま特集の「仁義なき聖書ものがたり」がおもしろそうだったので購入した。ところが運よくその号に坂本葵さんの「生きることの手触りとしての着物」という文章が載っていた。これは坂本さんが東大の裏手にあ…

ワシャも歩けばネタに当たる

注文しておいた本が届いたので、いつもの駅前の書店に立ち寄る。頼んでおいたのは、小林よりのり『ゴーマニズム戦歴』(ベスト新書)。あとは評論家の呉智英さんの連載が載っているので「週刊ポスト」と「LEON」を手に取る。 新書コーナーに行って眺めて…

ニュースから

衆愚が同じ絵のキャラクターを探すのに血道を上げている。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160722-00000563-san-ent 同じ方向をむいて浮かれ騒ぐ。今、なにが重要なことなのかがまったく整理されていない。あ、ポケモンを探すのが最優先事項なんだね(…

本を読む

今日も朝から重〜い仕事。重〜いのは宴席が2日連続したせいかもしれない(笑)。 ワシャは谷沢永一『人間通』(新潮新書)を座右の一冊としている。本の表紙に谷沢さん「言」がある。 《私は四十代あるいは五十代に至って人生に関する若干の知見を得ました…

飲み過ぎた

それこそ30年前だ。会社の部署ごとに8つのチームが編成され、そのチーム対抗ということで運動会やら球技大会を実施したものである。ワシャのチームはBチームだった。Bチームはとくに派手だったなぁ(遠い目)。町の競技場を借り切っての大規模な運動会は…

観光だ

昨日の「BSプライムニュース」のテーマは観光だった。ゲストは星野リゾート代表の星野佳路氏と小西美術工芸社社長ディビッド・アトキンソン氏である。ワシャの業務が「集客」というところも色濃く持っているので、規模は違えども彼らの発想はおもしろかっ…

図書館を襲うバカ

「図書館でナイフ、4人けが 傷害容疑で男を逮捕 福島」 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160718-00000048-asahi-soci 福島県二本松の小さな図書館で、バカがトンチンカンな質問を係員にしたのだろう。バカがなにを喚いているのかまっとうな人間には理…

真田丸が変

NHK大河ドラマ『真田丸』の展開がヘンだ。豊臣秀吉の後継のお拾が誕生する。このことで、自らが滅ぼされるのではないかと気に病んだ秀次はノイローゼになってしまう。関白の職を投げ打って自分の意思で高野山に隠棲し、こともあろうに勝手に自決をしてし…

哲学について

3〜4年前、何かの折に、評論家の呉智英さんに「哲学」についてお尋ねしたことがあった。その時に「哲学はよく解らない。哲学のことなら加藤さんに尋ねよ」と言われた。加藤さんとは、昨日も話に出した哲学者の加藤博子さんのことである。その頃、すでに名…

司馬遼太郎の短編に好きな作品がある。「盗賊と間者」というもので、司馬さんが36歳のときの執筆だ。ワシャのほうが20年ほど長く生きているのだが、これほど人間観察の鋭い眼は持てない。そもそも天下の司馬遼太郎と比べること自体が無謀だった(自嘲)…

歌舞伎はおもしろい

昨日、午後から歌舞伎仲間と「池鯉鮒パティオ」へ。全国公立文化施設協会主催の「松竹大歌舞伎」が巡ってきたのだ。 出演は中村時蔵、尾上松緑、坂東亀寿(かめとし)、中村梅枝(ばいし)、中村萬太郎である。看板は時蔵、松緑くらい。公文協ではこのあたり…

落語という芸

それでは、一席ご機嫌をうかがいます。 「芝浜」ってえと、こりゃぁ師走の落語ですゲスね。八五郎がかみさんに急かされて、夜明け前の魚河岸に出かける。ところが時刻を間違え行っちまったもんだから、河岸は真っ暗。で、浜に出て、顔でも洗おうかってえとき…

読書会

ううむ、昨日は、柳ケ瀬への想いが強すぎて、「ああ〜あぁ やながせのぉぉぉ よるう〜に泣いている〜〜♪」、読書会のことを書けなかった。だから今日書く。 一昨日は読書会。課題図書は、加藤博子『五感の哲学』(ベスト新書)である。この本、なかなかいい…

岐阜の衰退

岐阜柳ケ瀬にシャッターが増えている。ご多分にもれず地方の商店街の崩壊が進んでいるのである。美川憲一が唄った「柳ケ瀬ブルース」の頃の情景は、今や遠い昔の話であろう。 「青い灯影に つぐ酒は ほろり落とした エメラルド〜♪」 青い灯影は、柳ケ瀬のネ…

参議院選挙

夕べの「報道ステーション」で、コメンテーターの後藤賢次氏の詭弁が凄かった。自民党が改選前議席を6つ増やし、公明党が5つ増やした。これに対して民進党は9つ減らし、社民、生活も1人ずつが落選している。にも関わらず、政権与党は敗北したという理屈…

稲葉山城

一昨日の夕刻、ワシャは長良川の河原から稲葉山城を見上げていた。550年前にも、同様に山上の城を仰ぐ男が河畔に立っている。木下藤吉郎であった。ワシャとはえらい違いだが、藤吉郎を気取っていたんですな(笑)。 彼は主君信長から、稲葉山城を「一夜で…

ただいま午後5時

同窓会のようなものが岐阜であった。昨日、増水した長良川で、鵜匠のさばく鵜が「ウッ!」と言いながらアユを呑み込んでいた。なにしろ全国からメンバーが集まっているので、そのお付き合いで金華山周辺や犬山界隈をうろうろして帰ってきましたぞ。 そのあた…

プチプチ

明け方に夢を見た。職場の関係者から友人までけっこうオールスターキャストだったなぁ。 その話はひとまず措いておく。それよりもこのニュースである。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160708-00000012-asahi-soci 警視庁田園調布署で2人の警官が拳銃…

週刊ポスト

昨日、仕事帰りにいつもの本屋に立ち寄る。予約してある本はなかった。でも、本棚に吸い寄せられるように、店内に入って、気がつけば新刊棚のところを物色していたのだった。うろうろして雑誌コーナーに辿り着く。「そうだ。『週刊ポスト』に呉智英さんの記…

あざとい

《中国、艦隊主力を集結 南シナ海演習、最大級 「米軍と衝突視野」》 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160706-00000056-san-cn 日清・日露戦争前夜の様相を呈してきた。 《この海域で海軍力を誇示し、主権問題で妥協しない強硬姿勢を内外に示す狙い》 …

ロミオとジュリエット

「ウエストサイド物語」を思い出している。 (以下のURLは音が出ます。ご注意を)。 https://www.youtube.com/watch?v=tsFGo2mbwxM ニューヨークを舞台にしたミュージカル映画の大作である。アカデミーの作品賞、監督賞、助演男優賞、助演女優賞など10…

板付

ワシャは板に付いたものが好きだ。それは蒲鉾から歌舞伎、演劇、落語に至るまで、板付き、板の上でやるものはみんな好物と言っていい。板付と名がついているので、板付空港も好きなくらいですぞ(笑)。 さて、歌舞伎である。このところ看板役者の退場が続き…

桜刀

陸上自衛隊のエンブレムである。 http://www.mod.go.jp/gsdf/about/emblem/ これに対してこんな主義主張が出てきた。 《「血に塗られた軍刀の記憶を呼び覚ます」 陸自エンブレムの撤回求めて署名2万人》 http://www.huffingtonpost.jp/2016/06/28/sword-embl…

本を買う

先日、たまたま神保町を通りかかった。次の予定が入っていたので時間はそれほどない。でもね、矢口書店は素通りできません。なにしろ30年来のお付き合いですからな。だからちょいと寄ってみました。そこで見つけたのは『小津安二郎戦後語録集成』(フィルム…

楽園の落日

《対中国機の緊急発進増加=統幕長が異例の言及》 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160630-00000113-jij-pol 南の崖にウシガエルが取りついている。まさに『カエルの楽園』の予言のとおりになっている。支那中国の戦闘機が領空侵犯をした。その無法に対…