2009-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ベトナムを考える(続き)

大東亜戦争が起きる。 日本は、満州事変以降、アメリカやソビエトに支援された中国軍との全面戦争に引きこまれている。アメリカからの補給路を絶つためインドシナに軍事的干渉を行うとともに、タイの政権を動かしてインドシナ領の割譲をフランスに迫った。こ…

ベトナムを考える

紀元前の中国に「五覇の時代」といわれる時期がある。ちょうど孔子が活躍した時代と重なる。諸説はあるが、この五覇の中に「越」という国があった。「孫子」の第十一篇「九地」に出てくる「呉越同舟」の越である。この「越」の南が「越南」つまり「ベトナム…

海ゆかば(続き)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091028-00000097-jij-soci 護衛艦「こんごう」が相模灘で活動しているとき、弟のイージス艦「みょうこう」は遠くハワイ沖で迎撃ミサイルの発射試験をしていた。どうやら試験訓練は成功したようだ。めでたい。今回の訓練…

海ゆかば

今日、手元に数葉の写真が届けられた。それは先週末に相模灘で開催された「自衛隊観艦式」の写真だった。 きらきらと輝く海面の上にシルエットの護衛艦が静かに浮かんでいる。「こんごう」である。 遠くに空母「ひゅうが」が見える。その近景をホバークラフ…

屋久島の話

ここ2年くらいは環境関連の本ばかり読んでいる。だから棚6段くらいは環境本で埋まっている。その中には、アル・ゴアの『不都合な真実』に代表されるオカルト本も多い。江原達怡『死に向かう地球』(現代書林)『このままでは地球はあと10年で終わる!』(洋…

文化の差(昨日の続き) その1

ワシャはオーストラリア人が極上の蕎麦を残しても責めなかった。それは食文化の違いというものがあるということを認識しているからだ。 ただ、魚介肉類が食えない上に、蕎麦も食えない、自然薯も食えないとはお気の毒なことでゲスな、とは思った。 ワシャを…

文化の差(昨日の続き) その2

(上から続く) 蕎麦に一筋二筋箸をつけて、これは食えないからと、調理した人の思いも忖度せずに残してしまう。嫌なものは嫌、食べられないものは食べられないとはっきり言うのは欧米人の特性かも知れぬ。しかし、だったらさ、少しだけ小皿に取り分け、試食…

文化の差

今、ワシャの会社にオーストラリアから研修生が来ている。先日、その人を案内して長野方面に出掛けた。研修といっても、3ヶ月間、日本のあちこちを案内するという観光に毛の生えたようなもので、社費を無駄に使い、社員の手間を増やしているだけのような気が…

城址にて その1

あべ静江のデビュー曲に「コーヒーショップで」という名曲がある。その中に「城跡の石段に腰をおろし、本を読んで涙する人もいた」なんていう詩が出てくる。36年も前の曲だが、今、聴いてもいい曲だな〜。でも、今時は、石段に座って本を読んでいる少女なん…

城址にて その2

(上から続く) 湖北、伊吹山系の端にある小谷城は、戦国中期の大永年間(1521〜28)に築城されている。造ったのは北近江一帯を押さえる戦国大名の浅井亮政(あざいすけまさ)である。その子、久政(ひさまさ)、孫の長政と3代にわたって近江78万石の半分以…

政治の混迷

日本郵政の次期社長に、スーパー官僚と呼ばれていた斎藤次郎氏がなるんだとさ。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091021-00000546-san-bus_all オランダのジャーナリストのカレル・ヴァン・ウォルフレンが1994年に自著『民は愚かに保て』(小学館)の中…

官僚批判 その1

66年前の昨日、神宮外苑で文部省主催の「出陣学徒壮行会」が雨天をついて挙行された。臨席したのはエリート軍官僚から首相になった東條英機である。東條を筆頭とする無能な秀才たちのために、学徒たちの多くがパイロットの速成教育を施され、特別攻撃隊の要…

官僚批判 その2

(上から続く) 東條に引き立てられた秀才軍官僚に冨永恭次という中将がいる。無責任役人の典型であるこの男は陸軍の特攻を指揮して1844人を死地に送り出している。その壮行の辞で何度もこう言った。「君らだけを行かせはしない。最後の一機で本官も特攻する…

いいわけの続き

今、午後9時30分、ようやく帰宅したところですが、体調はやはりすぐれません。相変わらず、ぼーとしています。新型インフルエンザかもしれません。あるいは狂牛病かもね。 てなわけで今日はなにも書けない日なのであった。(謝)

いいわけ

どうしたのかなぁ、頭がぼーっとしている。喉も痛い。あららら、眩暈もする。体調が、いと悪いですぞ。 てなわけで、日記は夕方にでも更新しますね。 誰ですか?二日酔いだって言った人は。 そのあたりも夕方にははっきりするでしょう。

司馬さんも間違えた

『街道をゆく』の「大徳寺散歩」にこんなエピソードがある。 司馬さんは京都紫野の大徳寺の搭頭(たっちゅう)である孤篷庵(こほうあん)を訪れた。ここに、江戸初期の大名小堀遠州が造った「忘筌(ぼうせん)」と呼ばれる茶席がある。司馬さんは、同行した…

死諸葛、走生仲達

う〜む、ウラシマさんの日記http://www2.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=106046&log=20091016を読んでいて気が遠くなってしもうた。 日本国の宰相だった人物が「死せる諸葛、生ける仲達を走らす」の意味を知らないとは……(絶句!) この阿呆に活字の文献を求…

歌謡三題 その1

ワシャは夏目雅子のファンじゃった。だから、彼女が主演した「西遊記」を楽しみに観ていた。ゴダイゴの挿入歌もよかったよね。「ガンダーラ」や「Monkey Magic」が西域への旅心をくすぐったものだ。 夕べ、コダイゴのボーカル、タケカワユキヒデのコンサート…

歌謡三題 その2

(上から続く) 家に帰ってテレビを点けると、NHKBSで「叙情歌大全集」をやっていた。先日、友人にもらった「千亀女(せんがめじょ)」をチビチビやりながら聴く。「ガンダーラ」もいいけど「叙情歌」もいいなぁ。由紀さおり、安田祥子が「花」を唄う。…

歌謡三題 その3

(上から続く)http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091017-00000085-jij-soci 昔、加藤和彦のコンサートに行ったことがある。その時、たまたま縁があって彼の使っていたピックをもらったことを思い出した。ご冥福を祈りたい。

貂声狆語(てんせいちんご) その1

一昨日の「天声人語」は酷かった。内容は、前原国土交通大臣への揶揄である。 冒頭は「羽田から飛びたった定期航空第一便のエピソード」を持ってきた。《中国・大連のカフェーに届けられるスズムシとマツムシ計6千匹がおさまっていた。人間のお客は一人もい…

貂声狆語(てんせいちんご) その2

(上から続く) 怒りのあまり脇道に逸れた。 貂声狆語氏にもどる。彼は上から目線で続ける。《八ツ場ダムといい、どうも就任以来の前原さん、連綿たるアナログである人の営みに、デジタル的に対処したがる傾きはないか》 人の営みは、もちろん「連綿たるアナ…

食料自給率という夢

民主党は「マニュフェスト」の中で「主要穀物等の完全自給をめざす」としている。主要穀物というのは、もちろん米のことだよね。麦とか豆もはいっているのかな? 昭和40年、食料自給率は70%あった。それが、現在、39%まで下がっている。この主たる要因は農…

黄葉(もみじ)狩り

昨日の続き。 間伐をかんばつた後、帰路についた。案内をしてくれた地元の人が、「近道があるから」というので来た道とは違うコースをとった。それは標高1400mの茶臼山の麓を回る高原の道だった。 まだ日中は暑いくらいの三河平野(標高10m)と比べると、…

間伐をかんばつた

昨日、長野県の山で間伐をしてきた。車で林道を山奥まで分け入り、車を降りて岨道(そわみち)を30分ほど登って、ようやく間伐現場である。急斜面に直径20cmほどの杉が林立している。実際には大した傾斜はないのだろうが、体感的には45度を超しているよう…

なりふり構わず その1

このところ北朝鮮があせっている。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091012-00000622-yom-int 9日には親北朝鮮の新聞の朝日新聞が「中朝国境でサリン検出」と一面で報じたばかりだ。 核をちらつかせたり、サリンを流してみたり、ミサイルをぶっ放してみ…

なりふり構わず その2

(上から続く) 基本的に北朝鮮は日本の脅威になりえない。それは軍事力が極めて小さいからである。軍事パレードは派手にやっているが、あれはしょせんセレモニーでしかない。平壌ではできるが、日本海に800キロもの海上兵站線を確保することは、彼の国には…

御園座で歌舞伎 その1

昨日、爽やかな秋晴れの中、名古屋へ出掛ける。ミッドランドスクエア越しの蒼空に一片の雲もなし。 地に目を移せば、午前10時の名古屋駅は混雑をしていますな。中央改札を出て斜め30度の方向に、コンコースを人を掻き分け掻き分け泳ぎきるとキヨスクのグラン…

御園座で歌舞伎 その2

(上から続く) 三段目では、道化の鷺坂伴内役で亀蔵が登場する。ワシャはこの片岡亀蔵という役者が気に入っている。滑稽な役をやらせたら天下一品だ。先月の「法界坊」でも勘三郎とからんで会場を大爆笑させていた。がんばれ亀蔵。 四段目の判官切腹の場で…

エリートたちの黄昏 その1

保阪正康『官僚亡国論』(朝日新聞出版)を読む。読みながら何度も膝を打った。 1945年に日本は一度亡んだ。それは政治家のせいでもなく、国民のせいでもなかった。軍官僚というエリートたちの無能ゆえの暴走が国の方向性を誤らせた。 かつて陸軍大学の卒業…