2013-10-01から1ヶ月間の記事一覧

国史大辞典のつづき

『国史大辞典を予約した人々』の中から本の行方を考えたい。 この本が取り上げているのは、初版の『国史大辞典』が発行される前に予約した人々の単なる名簿である『予約者芳名録』である。この芳名録は予約者数の10,240部印刷をされ、予約者全員に配布されて…

人間ドックにゆく

月曜日、隣町にある病院で人間ドックを受けた。早めに行って、空いているうちにサクサクッと終えてしまいたい。だから、受付開始時間の20分も前に診療所の待合に待機した。番号札は15番、なかなかいい番号だ。 8時15分から受付が始まる。ワシャもすぐに…

久々にワシャ蔵

南町奉行所から飛び出してきた銭亀の親分は、数寄屋橋御門を通って、数寄屋川岸沿いの元数寄屋町の番屋に入った。 中には草臥れた番太が一人、鍋のかかった火鉢を抱えて熱燗をつけている。 銭亀「おう、とっつあん、ワシャ蔵を見なかったかい」 番太「ワシャ…

国史大辞典の話

9月14日の朝日新聞の1面記事下広告に勁草書房の本のラインナップが載っていた。その中に、『国史大辞典を予約した人々』という本の紹介がされている。書かれたのは愛知県出身の佐滝剛弘(リベラルアーツ・ジャーナリスト)という人である。ワシャは『国史…

錦秋名古屋顔見世夜之部

昨日の東海地方は午後から台風一過の快晴になった。ワシャは週の始めから沖縄近海で27号が停滞していたことと、方向を変えても日本列島の南の海上を進むと見ていたので、さほどあわてなかった。だから前々から予定していた木曜日の宴も中止しなかったし、金…

台風のように

昨日、台風が迫って来る最中に上京した(以後、今日を示す語はすべて昨日のことです)。 午前7時の在来線で名古屋まで出て、それから「のぞみ」で新横浜まで向かう。新横で下車、横浜線、東急東横線、みなとみらい線と乗り継いで、9時23分にみなとみらい駅…

五機の零戦

たまたま、YouTubeを見ていてこの映像に当たった。まだ、三宅久之さんがご健在のころの「たかじんのそこまで言って委員会」の動画である。最初から6分30秒ほどをご覧いただければいい。その後の田嶋陽子などの御託は聞いても腹が立つだけだから。 http://…

曽野さんの愚痴話

曽野綾子さんが『新潮45』の11月号にいいことを書かれていた。「ある日韓関係」という題の文章である。読んでいる人もいると思うけれど、読んでない人も多いと思うので、少し引きたい。 《そもそもほぼ七十年近くも前になることを持ち出して、その非をなじる…

思えば遠くに来たもんだ

「思えば遠くに来たもんだ 十二の冬のあの夕べ 港の空に鳴り響いた 汽笛の湯気は今いづこ」 武田鉄矢ではないですよ(笑)。夭折の詩人、中原中也の「頑是ない歌」という詩の冒頭である。中也は、昭和12年に31歳で亡くなったから、没後76年になるのか……。『…

無駄

昨日は無駄に晴天だったなぁ。一日違えば、日曜日がとてもすてきな行楽日和になったというのに。鳴神様は龍神を捕まえるのが少し遅かった。 それでもね、ワシャは雨の日もそれほど嫌いではない。花粉症になってからはとくにその傾向が強くなった。3月から5…

天野さん逝く

名コラムニストの天野祐吉さんが亡くなられた。 http://www.asahi.com/obituaries/update/1020/TKY201310200248.html 「天声人語」などはずいぶん昔から読む対象ではなかった。作家の日垣隆さんや、コラムニストの勝谷誠彦さんが、早くから「天声人語」のい…

むっくりこっくり

先日の読書会の課題図書『中国化する日本』(文藝春秋)について、些末なことなのだが記しておきたい。 56ページにこうある。 《元寇とは、このモンゴル帝国主導の自由貿易経済圏に日本も入れ、という要求を「鎌倉男子」が蹴ったために引き起こされた、文字…

ネガポジ

大切にしている皿があったとしよう。それを洗っていて割ってしまった。その時に「運が悪かった」と思うか。あるいは「運が良かった」と思うか。 たまたまさっき皿を洗っていた(ワシャだってたまには炊事も洗い物もするんですぞ)。その時、ワシャの手の中で…

気楽な稼業

朝日新聞の日曜版の名物コラムに「日曜を想う」というものがある。 http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201310120532.html とくに特別編集委員の冨永格氏の書いたものがおもしろい。コラムニストの勝谷誠彦さんもスコンポコンに腐しているので、便乗し…

歌舞伎見物でちょっと不満

週初めに「錦秋名古屋顔見世」に行ってきた。そこでちょいと不満を述べる。まず、再建中の御園座に代わって舞台は名古屋市市民会館だった。 何だか名古屋市のやっていることは七面倒くさいなぁ。「市民会館」が「日本特殊陶業市民会館」なんだとさ。前は「中…

普通なら事業着手から半世紀もすれば懐かしい思い出

午前5時、風がうなりを上げて轟いている。雨はさほど強くないが、それでも波があった。バラバラっと来るかと思えば、小康状態を見せる時もある。現時点で、台風は八丈島の北の海上を北東に進んでいるらしい。あの汚染水で大変な福島第一原発を目指して。 コ…

スペシャル読書会その3

読書会の翌日、そのメンバーの有志と、江戸時代暗黒史観を払しょくするために、恒例の歴史巡りツアーに出かける。今回は本丸御殿が一部修復になった名古屋城で明るく楽しい江戸を体験しようっと。 凸凹コンビの凸ちゃんこと河村市長は、やることなすことこと…

スペシャル読書会のつづき

読書会・芸者会の続きである。 まず読書会は大成功だった。1時間目は『中国化する日本』、ここでは與那覇さんがテーゼとして挙げている「江戸暗黒史観」が俎上にあがった。その暗黒史観を是とするものと、「江戸バラ色史観」を持ち出してくるものもあって、…

年に一度のスペシャル読書会

昨日の午後2時、某所で読書会。課題図書は、與那覇潤『中国化する日本』(文藝春秋)と『新美南吉童話集』(岩波文庫)である。まず最初の1時間は『中国化する日本』で侃々諤々。次の1時間は『新美南吉』で喧々囂々。最後の1時間は平成25年でもっとも…

落語家の通信簿

名古屋が生んだ名人(笑)三遊亭円丈が『落語家の通信簿』(祥伝社新書)を出版した。円丈ファンのワシャは早速読みましたがな。 いやー、これがおもしろかった。円丈師匠の本はおしなべておもしろい。『ファイナル雁道』では、愛知県三河地方をボロクソに書…

極端にはしることの危険性

イオンが「週刊文春」を系列店舗の売り場からすべてを撤去させたんだとさ。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131010-00000002-mai-soci ご苦労なことですな。むしろそんなことをしたために、逆に注目を集めてしまった。ワシャですら、仕事帰りに本屋に…

倉本さんの気持ち

頼むから警察はきっちりと仕事をしてくれ! http://sankei.jp.msn.com/region/news/131009/tky13100910410000-n1.htm 普通の住民、健全な市民には、暴力に対抗する術がない。それを代行してくれるのが警察でしょ。警察が動かずして誰が市民を守るのか。 以前…

地域を救うモデルはあるか

夕べ、読書会。課題図書は、藻谷浩介『里山資本主義』(角川oneテーマ21)と、百田尚樹『永遠の0』(講談社文庫)の2冊である。読書会メンバーの内の2人は元々読書習慣のなかった人なのだが、最近は、きちんと読んでくるようになった。継続は力なりですね…

文楽回想

ワシャの書庫に『入江泰吉写真全集』(集英社)がある。ごぞんじ入江泰吉(いりえたいきち)の写真集で、6巻が『文楽回想』となっている。「ごぞんじ」と言われても、ご存じない方もおられるだろうから、少し解説をすると、昭和を代表する写真家で、主とし…

文楽がおもしろい

昨日、岡崎で「平成25年度文楽地方公演」があった。演目は、昼の部で「生写朝顔話」(しょううつしあさがおばなし)。会場は、岡崎せきれいホール(500席)が8割がた埋まっていただろうか。 それにしても文楽協会はがんばっている。なんとか21世紀に…

真田昌幸

歴史に「もし」はないけれど、「もし、この人がもう少し生き延びていたなら、きっと歴史が変わっていたに違いない」と想いを巡らすのは、実に楽しい。 例えばこの人である。真田昌幸という戦国武将だ。 先日、古本屋でこんな本を見つけた。『真田一族の史実…

金に魅入られた嫌なヤツら

みずほ銀行が「深くおわび」した。 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20131004-OYT1T01131.htm 《みずほ銀行が信販会社を通じた暴力団員らへの約2億円の融資を放置した問題で、昨年12月からの金融庁の検査で指摘を受けながらも、みずほ銀が、法令…

冒頭のご挨拶

昨日、100人ばかりの社員の前での説明会があり、その冒頭に話をする機会があった。時間は10分程度、基本的にワシャはアドリブがきかないので、原稿はきちんと作って臨んだ。 まず、ワシャの前に財務・経理系の役員が話す。手堅く、しっかりした内容で、…

鷺娘

名古屋錦秋歌舞伎に「鷺娘」(さぎむすめ)が掛かる。今回は、歌右衛門襲名をひかえた中村福助が舞う。楽しみだなぁ。 「鷺娘」は女形の見せ所だ。かつて女形の名手たちがこの舞いを引っ提げて舞台に立った。ワシャが観たものは、歌舞伎座で玉三郎と福助、御…

与話情浮世横櫛

ワシャは煙草を吸わない者である。止めてからかれこれ四半世紀は経とう。しかし、ワシャはマナーのよい喫煙家の味方である。例えば、宮崎駿の『風立ちぬ』の喫煙シーンにヒステリックな声を挙げた禁煙運動家たちが嫌いだ。 そんなことはどうでもいい。歌舞伎…