いやぁ、今週はなんやかやと忙しく、ちょいと頭をひねって考えなければならない件もあって、久しぶりに頭が疲れた一週間でした。そのためか、昨夜はあまり寝られず、午前2時ごろに布団からはい出して、高市首相はお仕事をされたが、ワシャは居間で寝酒を一杯やったんですわ。1時間程飲んでまた布団に入っても、時おりウトウトしたくらいで夜が明けてしまいました。
でもね、ただウトウトしていただけではないんですよ。枕元に300冊くらいの文庫やコミックが積んであって、その中から1冊引っ張り出して読んだんです。それが百田尚樹原作のコミック『永遠の0』(双葉社)の第4巻でした。適当なんですわ。手を伸ばして、手に当たったのを開くといういい加減なことで(笑)。
それでも何度も読んでいるんで、どこから読んでも話の脈絡はつながるから、第4巻でも大丈夫。それも適当に開いたら巻末の第31話「景浦介山」のあたりでした。小説でいうと第十章「阿修羅」のところであります。
皆さんも『永遠の0』はご存じだと思いますが、ざっと説明すると、特攻隊で死んだ祖父の思い出を孫がたどるという物語です。祖父を知る何人もの人物を訪ね、孫が祖父の真実を解明していくという一種のロードムービーですね。
でね、後半に登場する「景浦介山」は元特攻隊員のヤクザ。彼の事務所で祖父の話を聴くシーンはコミックでも文庫でも必ず泣けるんです。だから寝床の中でビービー泣いていました(笑)。
ワシャは子供の頃から本好きで本を読んできました。だから小説のようなものもいくつか原稿用紙に起こしてきました。
文芸雑誌の『鳩よ!』(マガジンハウス)が1998年(平成10)頃に「掌編小説コンクール」というものがあって、掌編作品を募集をしていたんですね。ワシャもそれに応募したことがあったんですが、10月号発表で「佳作」どまりでした(泣)。ワシャが佳作になった時のトップ作が島本理生さんという中学生の「ヨル」という作品でした。そうです、直木賞作家の島本さんです。彼女とワシャは『鳩よ!』の選考で競い合っていたんですね。でも、中学生に一蹴されてしまうとは情けない限りでした。
でもね、この『鳩よ!』の掌編コンクールの「佳作」欄にはすごい人の名前もあるんですよ。芥川賞の金原ひとみさん、山本周五郎賞の岩井志麻子さんも佳作に甘んじておられました。
この時期、確かに『鳩よ!』は作家への登竜門だったと思います。登竜門を越え作家として花を咲かせたお三方にはひたすらひれ伏すばかりでございます。
いつもどおり話が逸れました。
寝床で『永遠の0』の文庫を読んでいたんです。そこでビー泣きをして、はたと気がつきました。これが小説家なんだと。これほどの名作を生み出せるほどの天才性がなければ小説など書けるものではないということを。たかが少しばかりの本を読んで、学校の作文で賞を取ったくらいでは書けるものではありませんでしたね。
布団の中で百田さんにガツンとアッパーを食らったような衝撃を受けました。
というようなことで寝不足ですわ。