哲学について

 3〜4年前、何かの折に、評論家の呉智英さんに「哲学」についてお尋ねしたことがあった。その時に「哲学はよく解らない。哲学のことなら加藤さんに尋ねよ」と言われた。加藤さんとは、昨日も話に出した哲学者の加藤博子さんのことである。その頃、すでに名古屋のメンバーでは加藤さんを講師にした哲学関連の集まりがあったようなのだが、ワシャはあまりにアホ過ぎて誘われなかったらしい(笑)。
 ともかくも、呉さんに言われても、加藤さんに声をかけなかった。加藤さんには、何度も別のイベントではお会いしているのだが、やっぱり「哲学」という難解な学問に抵抗があったのでしょうね。
 それが『五感の哲学』である。一冊の本を読むということは、著者の講義を何度も聴くことに匹敵する。「おおお、こんなにわかり易く哲学の話をしてくれる先生が身近にいたんだ」と再認識した始末でして。だからまた、直に講義をお聴きしたいと思っている。その機会がくればこの日記でもご案内をしたい。お暇なら来てよね〜。
 ワシャにとって哲学は難しい。だが、すでに「哲学はなんぞや」ということを血肉にしている方も多くおられる。ワシャが尊敬する上司も、先日、呑んで話をしていたら、たまたま「ドイツ哲学」を専攻していたことがわかった。「人格者だなぁ」と思っていたら、やっぱり「人生とは」「生きるとは」ということの根本原理を学んでいたわけだ。
 しかし、やっぱりワシャには難しい。「哲学とはなんぞや」と問われて即答ができないのじゃ。鷲田小彌太氏の入門書を読んで、《哲学の「はじまり」は驚きである。哲学の全開は「驚きがいっぱい」、全てのことに驚くこと》《哲学とは、自分の心の闇に向かって進む思考活動である》と言われた。けれど、ますますわからない(泣)。
 その他にも入門書的な、廣松渉『哲学になにができるか』(朝日出版社)、木原武一『哲学からのメッセージ』(新潮新書)などを読んでもピンとこない。
 よし!こうなったら『玉川児童百科大辞典』の第10巻「道徳・哲学・宗教」までさかのぼり、小学生にかえったつもりで一からやり直すことにした。
 第10巻を冒頭から読み返えしているのだが、おいおいこれが「児童百科」のレベルなのか。ワシャの家に半世紀は並んでいたんだけど、手に取ったことはなかった。背表紙はよく見ていたんですよ。開いて読み始め、中身のクオリティに驚いた。これが小学生のレベルなのだろうか。優秀な小学生は凄いな。
 それでもこれを克服せねば、ワシャは幼稚園児ということになってしまう。加藤さんにまともな質問が出来るよう、ちょっと腰をすえて読んでみるか。