貂声狆語(てんせいちんご) その2

(上から続く)
 怒りのあまり脇道に逸れた。
 貂声狆語氏にもどる。彼は上から目線で続ける。
《八ツ場ダムといい、どうも就任以来の前原さん、連綿たるアナログである人の営みに、デジタル的に対処したがる傾きはないか》
 人の営みは、もちろん「連綿たるアナログ」である。それは間違いない。しかし、「天声人語」の筆者はここで利権談合にズブズブに浸かっている公共事業の営みをさりげなく「人の営み」に重ね合わせる。前原大臣を貶めるために。
 利権談合で食いつないできた公共事業で今後も「連綿たるアナログ」を続けられてたまるかい。寝言は寝て言え!
 それにしても卑怯な文章を書く人だ。
《「歴史認識」は甘かったかもしれない。》
《傾きはないか》
《秀才は2点間の最短距離を探すのがうまい。それが正しいともかぎるまい。》
《政治と言う「可能性の芸術」を描きやすいこともあろう。》
「かもしれない」「ないか」「かぎるまい」「こともあろう」……この人、なに一つ、言い切っていない。どう突っ込まれてもかわせるように文章に逃げばかり打っている。久々(といっても4〜5日ぶり)に不愉快な「天声人語」を読んだわい。