貂声狆語(てんせいちんご) その1

 一昨日の「天声人語」は酷かった。内容は、前原国土交通大臣への揶揄である。
 冒頭は「羽田から飛びたった定期航空第一便のエピソード」を持ってきた。
《中国・大連のカフェーに届けられるスズムシとマツムシ計6千匹がおさまっていた。人間のお客は一人もいない。》
 これは有名な話で、《1931(昭和6)年のことである》って大見得をきるほどのことじゃない。
貂声狆語氏、ツカミはO.K.とばかりに得々と話を続ける。
「国内は羽田、国際は成田と棲み分けてきたじゃないか、その原則を止めるのは、苦渋の思いで現状を受け入れてきた地元住民に失礼だ」と言うのだ。
 そして、1966年に閣議決定された成田空港建設は「寝耳に水」だったが、今回の大臣発言も「寝耳に水」どころか「寝耳にミミズ」ほどの、驚き桃の木サンショの木だと喚く。
 貂声狆語氏は、43年前の利権のための政治決定と、国際的な視野に立ち国民の利便性を追及しようとする大臣発言をみそくそ一緒にしている。
 http://www.asahi.com/special/hanedahub/TKY200910140112.html#Contents
 青春暴走知事が「千葉県で一番偉い俺様に、事前に相談がなかったじゃないか」とお怒りだが、なにを言っていやあがる。大臣が国益を考えた発言をするのに、なんで目立ちたいだけのお神輿知事あたりに相談しなければならないんだ。
 地元の首長は「歴史を勉強してから来い」と口走っているようだが、過去の下らない歴史などどうでもいい。それが「しがらみ」じゃないか。そんなものにいつまでも拘泥するのではなく、今の成田国際空港に目を向けよ。しがらみだらけでがんじがらめになって使い勝手の悪さは世界でもトップクラスだわさ。
(下に続く)