歌謡三題 その1

 ワシャは夏目雅子のファンじゃった。だから、彼女が主演した「西遊記」を楽しみに観ていた。ゴダイゴの挿入歌もよかったよね。「ガンダーラ」や「Monkey Magic」が西域への旅心をくすぐったものだ。
 夕べ、コダイゴのボーカル、タケカワユキヒデのコンサートがあった。上記の2曲を含めて16曲を娘の基(モトイ)とともに熱唱した。
 初っ端のツカミは、やっぱり「ガンダーラ」、これは名曲ですな。エキゾチックな旋律を聴いていると、脳裏に可愛い三蔵法師の笑顔が甦ってくる(泣)。
 2曲目は「Monkey Magic」、ここで、間奏の時にタケカワさん、後ろを向いてゴソゴソと何かしていると思ったら、「くもの巣の投げテープ」の準備をしていたんですな。曲が盛り上がったところで、振り返って、思いきりテープを投げたんだが、ちっとも飛ばず広がらず、しょぼい結果になってしまった。「ドーッ」と会場が沸くところが、「え?何??タケカワさん、何をしたいわけ???」という雰囲気が充満してしまった。
 それでも気を取り直して3曲目、高倉健主演の『夜叉』のエンディングに流れた「ウィンターグリーン、サマーブルー」を披露する。アンニュイでいい曲だった。阿川泰子あたりが銀座のナイトクラブで唄うと似合いそうだ。
 ビートルズナンバーを数曲挟んで、ラス前に「ビューティフルネーム」を持ってきた。それはいい。それはいいんだが、会場を巻き込むのは止めてくれ。間奏のところで来場者に「ウワウワララララー」と何度も何度もやらせるのじゃ。会場を右と左に分けて「ウワウワララララー」で声の大きさを競わされる。ワシャはこういう「みんなで盛り上がろう的」なノリが嫌いなのじゃ。立ち上がって帰ろうとしたら周囲の人に止められてしもうた。「早く終わってくれ〜」と祈りながら時間の過ぎ去るのを待つしかない。拷問だった。
 そして最後が「銀河鉄道999」である。まぁそうだろう。しかし、ラス前の嫌悪が残っているので素直に楽しめない。つくづくワシャってひねくれ者なのね。
 折り込み済みのアンコールがあって、「一度見た夢ならば」というメッセージソングを父娘でなかよく唄ってハイお終いとなりました。めでたしめでたし。
(下に続く)