昨日、爽やかな秋晴れの中、名古屋へ出掛ける。ミッドランドスクエア越しの蒼空に一片の雲もなし。
地に目を移せば、午前10時の名古屋駅は混雑をしていますな。中央改札を出て斜め30度の方向に、コンコースを人を掻き分け掻き分け泳ぎきるとキヨスクのグランドショップがある。そこで駅弁を購入して、御園座へレッツゴーなのじゃ。10月1日から名古屋御園座に「仮名手本忠臣蔵」の通し狂言が掛かっている。楽しみだなぁ〜。
午前10時15分、劇場入り。
配役は、団十郎の大星由良之助、仁左衛門の勘平、佐団次の高師直などなど。いつものスカスカの俳優陣と比べれば、まだマシな方だろう。
さて、舞台は「大序 鶴ケ岡社頭兜改めの場」、幕がゆっくりゆっくりと引かれ、徐々に鶴ヶ岡の社殿が見えてくる。う〜む、八幡宮の大銀杏も黄金色に輝いている。ということは、この物語は秋に始まるということでまことに季節感があってよろしい。
ちょいと役者の寸評。
足利左兵衛督直義が進之介、ちょっと太ったように見える。楽をしていてはいかんぞ。芸に精進せい。
塩治判官は橋之助、先月は名古屋城で勘三郎の「法界坊」で道具屋甚三郎を好演していたが、連続の名古屋公演では、三田寛子も淋しかろう。
桃井若狭之助は愛之助である。片岡秀太郎の養子で37歳、顔立ちもよろしい。存在感もあってこれからが楽しみな役者よのう。
高師直、いわゆる吉良上野介は左団次である。ワシャはいろいろな師直を観てきたが、こんな滑稽な師直は珍しい。左団次、小太りで顔が丸い。だから、隈取り顔も悪者というより道化のようだ。
絶世の美女の顔世御前は福助が演じる。福助、いい女形なんだが、今回の舞台ではずいぶん老けて見えた。まだ、50を越えていないのだから、もう少し若さを保ってほしい。玉三郎を見よ。まもなく還暦というのにあの妖艶さはどうだ。福助、老けこむのはまだ早い。
(下に続く)