無駄

 昨日は無駄に晴天だったなぁ。一日違えば、日曜日がとてもすてきな行楽日和になったというのに。鳴神様は龍神を捕まえるのが少し遅かった。
 それでもね、ワシャは雨の日もそれほど嫌いではない。花粉症になってからはとくにその傾向が強くなった。3月から5月の花粉シーズンは、晴天になると憂鬱になる。むしろ雨天だと、花粉は飛ばないし、チリや黄砂、最近はPM2.5まで抑えられるから、晴天の日よりも清々しい。

 知多半島常滑という町がある。焼き物の町として有名だ。最近では中部国際空港のある町と言ったほうがとおりがいいか。その常滑である。伊勢湾に面していることもあり、常滑焼の積み出し港としてかつては栄えた。良港のあるところは山が海に迫っている。神戸とか横浜とかもそうでしょ。規模は違うけれど、常滑も坂が多い。
 港の東側が栄町と呼ばれる焼き物の町である。かつては小高い丘一面に陶工の窯があって煙突が立ち並んでいた。今でもその面影が残っていて、いいポイントになると6本もの煙突が並ぶ風景を観ることができる。
 その坂の町の途中に「たに川」という海鮮料理の店があった。古い民家に少し手を入れただけの素朴なたたずまいで、田舎の親戚の家に里帰りしたようで、とても落ち着く。
 四八畳でもないのだが、廊下をはさんで四つの和室がある。その襖が取っ払われて、だだっ広い。そこにテーブルが5つばかりあって、奥のテーブルに座ると、遠い窓から表の庭が見える。無駄に広いように見えるが、この無駄な広がりがいい。
 室内には音楽が流れている。ワシャはミュージシャンに疎いので、誰なのだが皆目見当がつかないが、静かなBGMである。庭に降り続く雨音と、室内のBGMとうまくミックスされ、耳朶に届いてくるんですね。これがとても心地いい。かつて絵の師匠とスケッチに行った時のことを思い出した。
「雨も悪くない」そう思いませんか。

 昨日はもう一つ無駄なことがあった。名古屋市内である会議が開催されたのである。
「中京独立戦略本部」の4回目の会合が持たれたのだ。まだこんなことをやっていたのか……。もうとっくに賞味期限切れなのに、ご苦労様。
 午前6時に、この関連ニュースをネットから引っ張ろうと検索をかけたのだけれど、どこにもなかった。大したニュースではないということなんですかね(笑)。
でも、凸凹さんたちはけっこう必死なご様子だった。テレビニュースで見る限り、大村さんは少しやつれていたし、河村さんはお得意の名古屋弁が出ていなかった。かなり「中京都構想」では追い込まれていると見たほうがいいだろう。そりゃまあそうなんだけどね、そもそもの発想が大阪の橋下さんの二番煎じであり、焼き直しなのだから。それも凸凹さんのどちらもが「オレがオレが……」という人物なのでまとまるわけがない。
 今回、苦肉の策で「中京都ホールディングス構想」というなんだかよくわからないものを打ち出してきたけれど、結局、大村・河村で歩み寄れないところを、「連携できる行政分野で個別協議しましょう」というだけのもの。居並ぶ有識者の皆さんの苦渋に満ちた表情が愚策であることを物語っている。記事の最後を引く。
《そもそも総論で大村案と河村案が併存したまま、各論をどう話すのか。メンバーの県中小企業団体中央会鶴田欣也会長は会合後、「その説明が最後までなかった」と不満げだった。》
 最初からパフォーマンスだった。中身が伴っていないのは当たり前と言えば当たり前、ご両所とも次はなさそうなので、もう無駄な空論ひっこめたほうがいい。

 その記事のすぐ下に、河村市長が月末にイタリアに出張するという記事があった。
きしめん食べてミ〜ヤ パスタ本場でPRへ」
 お暇なことですな。出張旅費が無駄にならなければいいけれど……。