長寿の秘訣

 今月の「文藝春秋」の特集「健康長寿を実践する」で、眼科医の坪田一男氏と慶応大学教授の前野隆司氏との対談がおもしろい。テーマは「幸福感 ごきげんな人ほど長生き出来る」だった。
そりゃそうだよね。人生ごきげんなほうが、いろいろなところに余裕がでて、ストレスも少なくなるだろうから、免疫力も高まり、そりゃ長命になるだろう。
 幸福感をもたらす要因として、「やってみよう」「ありがとう」「なんとかなる」「ありのままに」を並べ、物事をポジティブに捉えていくべきだと言っている。まぁそのとおりなんだけど、けっこう言い尽くされている話だよね。

 でも、ひとつだけ頷いたところがある。「睡眠と上司が幸せを左右する」という項の「上司」であった。「睡眠」については、書店にコーナーができるくらいブームになっている。テレビだってよい睡眠をとるためのサプリや寝具のCMが花盛りだからほっといても情報はある。問題はもうひとつのほう、上司である。両先生、「結婚」よりも「上司」の方が幸福度に影響を与えると言っている。上司が悪いと部下の幸福感は薄くなるんですな。ワシャも部下を持つ身なので、他山の石としなければならないが、これ本当にたまりませんよねぇ。
 あなたの上に複数の役職者がいるならまだ救いがある。上に係長が何人かいる、それは別の係でもいい。あるいは課長、次長、部長がいて、飛び越えて相談できればかなりのガス抜きになる。クソ上司の話を聞いてくれる他の上司がいることが重要なのである。これが小さな会社であってごらんなさいよ。そのクソしか上司がいないとなると悲劇は大きい。まさにここで言う「幸せを左右する」のである。あなたに上司が沢山いる状況、組織ピラミッドの中腹あたりなら、まだまだ救いようがあるのだ。

 上に人がいない状況というのは古今東西の豪傑でも辛かった。例えば戦国時代に名将として活躍した後藤又兵衛である。この人物は拙日記でも何度も取り上げているが、猛将後藤又兵衛の悲劇は、彼の上には主君しかいなかったことであった。詳細は2014年5月30日『後藤又兵衛
http://d.hatena.ne.jp/warusyawa/20140530/1401401597
 翌日の『長政と又兵衛』
http://d.hatena.ne.jp/warusyawa/20140531/1401490630
をごらんくだされ。
 とにかくあなたの上に、10人ほどの役職者がいるならば大丈夫、嫌なヤツは避けて、話を聞いてくれる上司を選んで、酒でも飲みなはれ。愚痴をこぼしなはれ。そうすれば長寿は間違いない。