小泉純一郎講演(2)

(上から続く)
 アメリカ一辺倒だった小泉さんのスタンスはまったく変わっていない。
「日米関係が良ければ良いほど他の国ともうまくいく。『小泉は、日米さえ良ければいいのか』とよく言われたが、事実、そうだったじゃないか。日米の関係が冷えてくると中国が付け入ってきた」
 ここから中国との関係の話になっていく。
「首相になったら中国が私の靖国参拝に対して批判してきた。2004年のエイペックの時のことだ。だいたいああいった国際会議では各国の首脳と会談をする。私も20か国くらいとは2者会談をするように努めてきた」
 スッカラ菅首相が、胡錦濤と立ち話したのとはわけが違う。
「エイペックが目前に迫り、アメリカとロシアとは会談をセットすることができた。ところが、靖国のことでもめていたので胡錦濤会談がなかなか決まらなかった。催促を外務省からさせると、『来年の靖国参拝をしないなら会談をする』と言ってきた。だから私は『来年も靖国参拝はする』と言ってやった」
 さすが小泉さん。スッカラ菅や仙谷鼠とは政治家としての覚悟が違う。
「そう断ったら中国から会談を申し込んできた。ただ、『来年、靖国に行くのはいいが、行くことを明言しないでくれ』と言うから、その程度のことならいいですよ。だから、靖国のことには触れずに胡錦濤と会談した。それ以降は、約束なので記者会見でも『行く』とも『行かない』とも言わず、『適切に判断する』と言っていたわけ。もちろん靖国に行った」
「日本が笑顔で外交すれば、諸外国もやさしく対応してくれる、そんなことあるわけがないじゃないか」
「(強い口調で机を叩いて)日米安保が有効に機能していることは、歴史が証明している。日米がうまく連携しているから中国も遠慮するのだ」

 このあたりから内政の話になるが、まだまだ続くのでそれは明日のココロということで。