小泉純一郎講演(1)

 小泉純一郎さんの肉声できっちりとしたお話を聴くのは初めてだった。少し風邪気味で体調も思わしくなかったが、とにかく近年の中で突出した名宰相と言われた男の話が聴きたくて、寒風の中、市民会館の玄関前に並びましたぞ。
 感想は後回しにして、小泉さんの講演の骨子をご披露しますね。

「今はそんなに忙しくないんですよ」
「進次郎に、たまには飯でも食おうと言うと断られる。忙しいんですな」
 こう言って、小泉さんは会場から大爆笑をとる。つかみはOKといったところだ。その後、現政権を担当する民主党について話す。
「前回の衆議院議員選挙では自民党が大負けを喫した。民主主義国家では必ず政権交代が行われる。それは良かったこと。50年も一つの政党が政権を担当するというのはおかしい」
「これから民主党は辛い。今まで民主党自民党を責めていればよかったが、今からはそうはいかないからね」
 民主党政権の話の延長線上で「尖閣諸島問題」について触れる。
「中国人船長を解放した時に、「政治判断で」と言えばよかった」
「なにをやっても3割の反対はある。そんなのを恐れていてはいけない。少数の反対論を取り上げるのがマスコミ、どんどん突き進めばよかったんだ」
「『日米中正三角形論』というのがある。アメリカとも中国とも等しい間隔でなんてことはどだい間違っている。日米を基軸において、それを中心に中国と付き合っていけばいい。『正三角形論』がおかしいということが、尖閣でようやく国民にもわかってきた。日米関係と日中関係が同等ということはありえない」
(下に続く)