本物の政治家とは その1

 今週号の「週刊文春」のモノクログラビアの先頭がおもしろい。「国会組議員一家、新春の寿ぎ」と題して、「和装振興議員連盟」のお歴々が和服で勢ぞろいした写真である。記念写真を撮る直前の一コマを切り取った。
 最前列の真ん中に控えるのは長老の森喜朗(73)、伊吹文明(73)、その右には前原外務大臣、左側にはきれいどころとして丸川珠代参議院議員などが配されている。
 それにしても伊吹さんの羽織袴の似合わないことよ。腹が細く痩せているから袴が様にならない。その上になで肩だから、柄の折れた濡れから傘みたいな風情だ(なんのこっちゃ)。
 和服を着るときには腹に補正用のタオルなどを入れて帯を安定させる。そんなことも知らない和装振興議員なんだね。
 その点、北陸のドンザメ森喜朗は貫録十分、元々メタボのでっ腹なので補正具など必要ない。こちらは袴がばっちりと決まっている。
 でも、記念写真を撮る前のスナップなので澄ましているわけではない。ドンザメ森は、顔をしかめながら、右手の甲を見せて犬でも追っぱらうようなしぐさをしている。もちろんカメラマンはこの森の軽率な行動を狙ってシャッターを切った。記事によれば、「記念写真撮影の邪魔だから、もっとはなれろ」とカメラマンたちに文句を言っているところなのだそうな。
 政界の最長老で総理大臣まで極めた人物が、町内の慰安旅行に随行している自治会長でもあるまいに、そんなつまらない仕切りをやらずにもっとデーンとしていろよ。
 前々から森喜朗については、総理の器ではないと言い続けてきたが、こういった何気ない写真にも徳の備わらぬ小人物さが浮き彫りになってしまう。ある意味、可哀想な人だ。
(下に続く)