雪国(チベット)と帝国

 民主党の小沢代表が17日に講演会でチベット問題について発言している。朝日新聞から引く。
「中国の政権が抱える矛盾が民族問題を契機として持ち上がった。共産主義独裁の政権と政治の自由は、原理からいって成り立たない」
共産党政権が時代の変化に応じて生き延びようとするなら、自分自身が変化しなければいけない」
「(北朝鮮拉致問題)しょせんは中国問題。中国は朝鮮半島の現状維持を国策としている。金正日政権を変える気はない。拉致問題は解決しっこない」

 マイケル・ダナム『中国はいかにチベットを侵略したか』(講談社インターナショナル)の冒頭にダライ・ラマ十四世の序文がある。
中共チベット侵略と占領は今世紀最大の悲劇の一つである。その結果百万人以上のチベット人が殺され、仏教建築物、書籍、芸術品などほとんどが破壊し尽くされた。文化の生きた継承者は母国でその伝統を伝えることができなくなり古いチベット文化は抹殺されてしまった。》
 巻末の訳者あとがきにこうある。
仏教文化、文明の根こそぎ破壊には身の毛がよだつ。そういう状態の日本を想像してみるといい。法隆寺などをはじめとする日本の神社仏閣がすべて焼き払われるか、粉々に破壊され、正倉院などの宝物一切は略奪、破壊される。仏僧たちは公衆の面前で裸にされて虐殺、少しでも反抗する信者たちは子供の面前で斬殺されてゆく……。誇張でも何でもない。現代チベットにおいて繰り広げられた事実が、大虐殺と文化の抹殺なのだ。》

 1997年にフランスで出版された『共産主義の黒書』では、中国における共産主義による犠牲者の数を6,500万人と算出している。凄まじい数だ。オリンピックを使ってどう取り繕っても、血にまみれた手は隠しようがない。どうする中華帝国