吐蕃へ

「イエス高須クリニック」の高須先生がツイッターで言っている。
《命懸けのメッセージが続いている!なぜ気付かないんだ?助けてあげようよ。次の犠牲者は我々だよ。僕が見本を見せる。》
 チベットでの焼身抗議が続いている。このことについては、ニューズウイークのこの記事をご覧ください。
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/08/post-8088_3.php
 なぜ国際社会はこのことに口をつぐんでいるのか。なぜ中国共産党を糾弾しないのか。日本国内で人権を絶叫しているリベラルや左翼の連中は、あるいはマスコミはなぜこのことを話題にしないのか。
 朝鮮学校への補助がどうしたとか、移民の受け入れをそうするとかには、大きな紙面を割くのに、チベットでの悲劇には口を閉じる。
 ワシャの手元に悲しい本がある。建築家の中原一博氏が書いた『チベット焼身抗議』(集広舎)である。この本には中国共産党に追い詰められていくチベット人の記録と、2015年4月16日に焼身抗議をした143人目までの全記録である。誰も巻き込まない、敵の誰をも傷つけない。ただ自らの体に火を点けて、中国共産党チベットで行っている文化のジェノサイドに無言の抗議をしているのである。
チベット人は独自の宗教と文化を持ち、他の民族と区別される。その特徴は、愛と慈悲を持ち、他の人々の幸せのために尽くせという教えにある。しかし、今、チベットの人々は中国の侵略を受け、弾圧されている。基本的人権を奪われ、苦しみの中にある。そしてチベットが自由を取り戻すため、世界平和のために、私たちは焼身する。自由を奪われたチベット人たちの苦しみは、私たちの焼身の苦しみよりも余程大きい」
 39人目と40人目の焼身者の残した遺書の言葉である。

 なにが国際平和だ。なにが地球環境だ。地球市民というのにはチベットの人々は入っていないのか。国会前でシュプレヒコールを上げている暇な連中、応援にはいった国会議員は、即刻、北京入りして天安門でデモでもしろよ。中国共産党は速攻で取り締まるだろうが、そのほうが、弾圧・抑圧・虐殺されているチベットの人々に対しての支援になるだろう。日本でやっていても、爪楊枝ほどの支えにもならないのだから。

 ピコ太郎と高須ダンスを踊っている高須先生は、変なオッサンに見えるけれど、チベットに対する明確な意見をお聴きして、いやいやなかなかの大人物だったんだ、と再認識した。こりゃ野党の陣笠には対抗できないだろう。さっさと謝っておけばよかったのに。

 日本人のもう少し吐蕃チベット)に思いを馳せよう。そして、高須先生、がんばれ〜。