箱庭療法

 6月26日の哲学講座以降、「箱庭療法」に凝っている。

河合隼雄箱庭療法』(創元社

エヴァ・パティス・ゾーヤ『危機介入の箱庭療法』(創元社

千葉友里香『箱庭療法と心の変容』(創元社

河合隼雄中村雄二郎『トポスの知[箱庭療法]の世界』(CCCメディアハウス)

山中康裕『世界の箱庭療法』(新曜社

 などなどを読んだら、なんとなくぼんやりと見えてきた。

 心理療法の一種で、メディアとして「箱庭」を使う手法で、スイスで始まったものだったが、いち早く河合隼雄が日本に紹介し、元々日本には盆栽とか箱庭の文化があったことから、他国に比べて親和性が高く、普及が早かったと言われているのじゃ。

 ワシャの場合は、『夏目友人帳』に登場するキャラクターたちが、それこそ千体以上が書庫の中でうろうろしている。書庫自体が巨大な箱庭のようになってしまった。

 確かに、ニャンコ先生たちが書庫を訪問するようになってから、ワシャのメンタルが強くなったような気がする。ニャンコ先生様さまだな。

 

 そして『夏目友人帳』自体にも「箱庭」についての話があるんですね。第20巻81話「いつかの庭」は、まさに「箱庭」の話で、じんわりと心が温まってくるいい一篇となっている。ぜひ、機会があれば「ブックオフ」の立ち読みでも結構ですからお読みいただければ幸いです。癒されますぞ~。

夏目友人帳』には解説本があって、『夏目友人帳あやかし奇譚・考』(英和出版社)というだけど、緑川さんの絵が使えないところから、公式ブックではないようだが、これがけっこう役に立つ。ワシャもこの本を3冊もっていて、書庫や寝室などに分散しておいてある。

 この中に「いつかの庭」の解説があって、そこに《小さな箱に家や庭を配置する遊びを、「箱庭」と言います。これは江戸時代後半ごろに、町人たちの間で発達しました。》とある。さらに《箱庭は、人の心の動きを改名する、「箱庭療法」のヒントにもなった。》と付け加えてあることから、本作品が多少なりとも「箱庭療法」に影響を受けていると思った。

 さらに言えば、『夏目友人帳』の家族として、次から次へと生み出されるミニチュアたちは、「箱庭療法」の素材としては持って来いだと確信する。コミックを併用すれば、さらに「サンドプレイセラピー」の効果が上がるのではないか。

 これけっこう真剣に考えているんですが、『夏目友人帳』に癒された経験をもつワルシャワは、「ニャンコ先生セラピー」なるものを熊本県人吉に出かけて、まじめに研究しようかと思っている。