総裁選雑感

《総裁選ドキュメント 岸田新総裁「全員野球で衆院選参院選に臨む」》

https://news.yahoo.co.jp/pickup/6405671

 決選投票で257対170と87票の差がついて岸田氏が総裁になった。下馬評では河野氏の目もあっただけにヒヤヒヤものだった。地方票の影響が大きい1回目の投票でも、1票差とはいえ岸田氏が1位になり、3位の高市氏が議員票で河野氏を上回ったことも、まだまだ議員が腐りきっていない証しとなったわけでホッとしている。

 

 なにしろ河野氏、総裁選に出て以来、ボロがボロボロと出てきた。半分いかれたジャーナリストには「脱原発」「女系天皇容認」を封印したことをバラされてしまったし、河野家丸抱えの企業「日本端子」が支那共産党の泥沼にずっぽりとはまっていることを指摘されても、それに対して明確な弁明ができなかった。さらに河野氏を支援しているのが石破氏に小泉氏ときたもんだ。これで自民党総裁になったら日本はついに終了かと思ったが、なんとか自民党のまともな勢力が持ちこたえて、河野総裁を阻止したことはまことに目出度い次第である。これで高市氏が官房長官にでもなれば万々歳なんだけどね。

 

 それにしても、危うかったことは間違いない。愛知県の大村知事なんかは、自民党ではないのだけれど秘書に河野氏のチラシを配らせていた。さらに知事シンパの自民系議員は、県議も市議も河野氏の一押しだった。少なくとも愛知県選出の参議院議員は岸田氏を応援していた。「岸田氏でお願いします」という依頼の電話も入っていたのだが、自民党に除名された知事からの指令で、多くの愛知県の自民党員が河野氏に票を投じていた。

「河野17467、岸田6150、高市6726、野田2876」

 河野氏ぶっちぎりの愛知県の結果を確認して、ワシャは暗澹たる気持ちになった。

 でも、バカな県の思いは届かなかった。ご苦労様(笑)。

 

 今回の総裁選で極めてよく見えたのが、多くの票が空気に流されるということだった。自民党という党に所属している人間でも、総裁選の判断を県議や市議に委ねてしまっている現実も垣間見た。また、若い人達の間では強い「河野太郎人気」があったようで、そのことを大マスコミが喜んで伝えていた。ある意味で「河野さんがいい」という空気をマスコミが作り出し、それにリテラシーの足りない群衆を付和雷同させるいう見事なまでの工作がなされていた。

 表の平面ばかりを見ていてはダメなのだ。立体的に見る、裏を見る、あるいは隙間を見ることが大切で、物事を単純に見てしまっては何が正しいのかが見えてこない。

 今朝の朝日新聞に《大村氏「民意との乖離、説明内容問われる」自身は河野氏応援》という報道があった。

 ふむふむ、河野、石破、小泉、大村か・・・ある意味で分かりやすい。大村知事も親中であることは有名だし、あいちトリエンナーレでも、向うの人であることが暴露された。おそらく政治家をあるカテゴリーで括るとしたら、この4人ともが同じ円の中に納まるからね(笑)。癖の強い、灰汁のある、歴史観のない、ポピュリスト。河野総裁が誕生していれば、大村知事は国政復帰するつもりがあったと推測する。昭和天皇を燃やすような知事が消えれば、それはそれで愛知県にとっては慶事なのだが、とんでもない四人組に国政を牛耳られても、それはそれで恐ろしい。

「民意との乖離」と言っているけれど、国会議員がポピュリストたちの蠢動に乗せられなくて善かった。まだ日本の政治がきちんと機能することが確認できたことは、まことに重畳。二階も退場するし、若手親中派もあぶりだせたし(福田達夫らね)、なかなか近年まれに見るいい総裁選であった。

 

追伸:中日新聞に「中部の自民党議員の投票先」一覧があって、これがおもしろかった。愛知、岐阜、三重、長野、福井、滋賀の40人の衆参両議員の投票行動が見えた。河野氏が12、高市氏が10、岸田氏が8、野田氏が3、白票が1で、党員、党友の投票よりも、けっこうまともな数字になっている。高市氏に10票入っているところなど、まともな議員が多いのう。

 しかし笑える議員もいる。投票先を「非公表」としているボケサクだ。なにを隠しているんだ?