地元行政との攻防

 いや~ぁ、昨日は楽しかった。久しぶりの烈しい口論を堪能した。ああいう時にワシャは立て板に怒涛がほとばしる(笑)。

 あんまり大っぴらには話せないので、ここだけの噺にしておいてくだされ(願)。

 ワシャは某鉄道の沿線に住んでいるのだが、そこで鉄道高架の話が囁かれ始めている。と言っても、その町の首長も、知事ですら「鉄道高架」と喚いているのだから秘密でもなんでもない。

 ワシャは地元自治体のメンバーをよく知っているので、鉄道沿線の町内会長3人から、そのことに関しての「地元説明会をしてくれるように行政に頼んでくれ」との相談があった。説明と言っても15分程度でいいとのことだったので、「そんなことなら」と市役所に出かけていって仲良くしている(つもりだった)課長級の職員に「地元で説明を」と持ち掛けた。そいつはさわやかでいい男だったが、煮え切らない態度で「上に相談します」、「関係課と調整します」とか言うばかリ。かなり信頼して、かわいがってもきたつもりだったが、こんなに公務員然とした男だったのか。典型的な保身の役人対応に業を煮やし、その上にも掛け合ったのだが、「まだ調整中なので」とか「内容が県事業なので」とか逃げ腰が丸見えだった。彼らとは信頼関係を長きにわたってつくってきたつもりだったが、凸凹商事を辞め、社外役員からも身を引くとこの程度の扱いになるのか・・・と少しばかりカルチャーショックを受けた。

 その「つもり男」が、「鉄道高架」にからんだ人と飲むという話を耳にした。その人とはワシャも付き合いがあって、それなら「これは幸い。同席させてもらおう」と思って「つもり男」に電話を掛けた。夕方、午後7時、午後9時と3度掛けたが、出なかった。

 翌日、電話が「つもり男」から3度返信があった。ワシャは出なかった。そうしたら「つもり男」は自宅まで来やあがった。

「スマホを職場に忘れてしまい、ワルシャワさんの電話に出られませんでした」と謝罪する。

「同席しているおまえの先輩にも掛けたんだが、そっちも出なかったぜ」

「それは、なんででしょう。分かりません」

 どうだか(笑)。

 ワルシャワを絡めると面倒なので、2人で示し合わせて「出られなかったことにしよう」てなことではないの。

 ともかくワシャの家まで押しかけてきて平身低頭するので、ワシャはついつい許してしまった。甘い男だのう、ワシャも。

 それからも町内会からの要請を受け、「地元説明を」と何度も役所に足を運んだんだが、「上に相談します」、「関係課と調整します」、「まだ調整中なので」、「内容が県事業なので」と、繰り返すバカりなり。バカにしているのか?バカにしているんだね。

 そして昨日のことである。

 鉄道沿線の町内会長3人に行政から連絡が入った。「鉄道高架」の話ではなく、別件での「駅周辺(鉄道沿線)の測量調査を実施したいので依頼を兼ねた説明に伺いたい」とそいつらが町内会長に会うため、町内会事務所にやってくるんだとさ。そのことを、1人の町内会長から聞いた。

 でね、偶然にもちょうどその時刻に町内会事務所に通りかかってしまったのだ(笑)。そうしたらその町内会長が「ワシャさんも一緒に話を聞いておくれやす」と言うので、陪席することになった。

 つまらない説明会が始まった。3分も説明しただろうか。係長が依頼文に書いてある文章を読みあげただけ。「これで終わりです」という役人にワシャが挙手をして「質問いいですか?」と尋ねる。むろん相手はワシャのことを十分に知っている。「面倒臭えなぁ」という表情が一瞬よぎったような(笑)。

「ワシャは昨日、偶然にもおたくらの部長と役所で会って話をした。しかし今日の話はまったく出てこなかった。3町内会長に対するこの説明会は極秘事項なのかニャ?」

「いえ、そんなことは・・・」と言い淀む市役所。

「で、今日は来ていない主幹さん(つもり男ね)でしたっけ?あの人とは地元説明について窓口で何度も何度も何度も何度も話しています。彼はワシャの電話番号も知っています。だったら今日のこのご案内があってもしかるべきだと思いますが、いかがですか?」

「えーと、それは・・・」

「それにワシャはここに来る前に役所に連絡をして、今、ここに来ていただいている課長さんと、来ていない主幹さん(つもり男)のスケジュールを確認しました。お二人ともここに足を運ばれる予定が入っていると聞きましたが、なぜ主幹さん(つもり男)は来ておられないんですか?」

「別の予定がありまして・・・」

「スケジュールには、ここだけが入っていたと聞いています」

「ええっとそれは・・・」

 このあたりで1人の町内会長がいいセリフを言ってくれた。

「まちづくりに関しては、このワルシャワに全権委任しているので、彼が納得しなければ我々は動きませんし協力もしません」

 さあ、ワシャを論破しないと何も動きませんよ(笑)。

「町内会長、ありがとうございます。でも、ワシャはこの事業を止めたいわけではありません。極力協力していきたいと考えております。であるので、そうですね~、あ、来週、町内会の理事会がありましたね?」

 3町内会長はうなずく。

「そこに来ていただいて、この測量調査実施の話をしてもらいましょうかね」

 3町内会長は大きくうなずく。

 役人は「え?この程度の話で・・・」とは言わなかったが、顔色には出ていますぞ(笑)。

「行政の方から、直接、理事に説明していただければ説得力が違います。もしも説明ができないというのであれば、調査を延期してください。住民に納得を得てからにしていただきたい」

 とは、もう1人の町内会長からの意見だ。いいことを言う。

「でも説明は3分で終わりますよ」

 と、係長が抵抗する。それに対してワシャがこう返した。

「例えば、都市計画、まちづくり関連予算には大きな増額が令和7年度から8年度にかけてあるけれど、その内訳を説明してもらってもいいですね。駅周辺まちづくりの委託費も計上されていますが、その内訳は?県への負担金も大きな金額になっていますね。当然のこと、県との折衝は終わっているはずです。その内容について教えてください。まだいくらでもお聞きできますが、そういった話になれば1時間では足りませんよ」

 行政マンは黙ってしまった。

 半年間、地元説明を拒んできた行政が、別件とはいえ、地元の説明会に入ることを応じた瞬間だった。ワシャは畳み掛けた。

「あ、それから今日お見えになっていない主幹さん(つもり男)は、来週の説明会も来ていただく必要はありませんので」

「いや、しかし、主幹が担当ですので・・・」

「いいえ、今日のこの場での話をまったく聞いておられませんよね。皆さんからの又聞きでは、ニュアンスが伝わりません。なにか支障があってもいけませんので、今日、お出でいただいた課長さんと係長さんでお願いします。あ、昨日、すれ違った部長さんが同行されてもいいですよ」と笑顔で答えるワルシャワであった。

「主幹には、オマエが跨ぐ敷居はないと伝えてください」

 さすがにこれは呑み込みましたがね。それでも何か言ってくるなら、波動砲をお見舞いしたいと思います(笑)。

 つもり男とは縁を切りました。