日本の古代史

 昨日、読書会。先々月の『万葉秀歌』(岩波新書)、先月の『額田女王』(新潮文庫)からつながって、遠山美都男『白村江』(講談社現代新書)が課題図書だった。

 ここ3カ月、古代史にはまっていたわけだが、集中して読むとあの時代がおもしろいということに理解が深まった。

 ワシャは日本の歴史が好きなんだけど、古代というとなかなか取っ掛かりが見つからず、「まぁ知識として持っていればいいか」くらいの感覚で教科書理解程度で接していた。

 だが、今回は課題図書ということで真正面から取り組んでみて、改めてその深さに気付かされた。日本史の教科書では「663年、日本軍は白村江の戦いで唐や新羅の軍にやぶれ、朝鮮半島からまったくしりぞいた」と記載があるだけ。高校生でまじめに勉強していた(笑)ワシャは「日本の敗北」と「半島からの撤退」が印象に残っただけである。だってそうとしか書いてないからね。

 しかし『白村江』を読んでみて、白村江の戦いに至るまでの経緯や、海戦自体の展開、日本と唐との対立構造などが鮮明に見えてくる。もちろんこの新書は著者の見解であり、必ずしもそれが正解とも言い難い。ただ推論としてネタを提供してくれので、読者のほうはイメージを結びやすかったと思う。実際にメンバーからは「井上靖の『額田女王』より読みやすく解りやすかった」との声が出ていた。

 ワシャ的によかったところは、「大敗戦」と思っていた白村江の戦いが、先の大戦の敗北とは違うことが解った点である。白村江の戦後、倭国と唐と長い交渉の期間があったことは事実で、通常なら敗戦国と交渉などしない。通達1本で、言うことを聞かなければ攻撃して占領するだけのこと。しかし唐は丁寧に交渉を継続している。

 なぜか?唐は白村江で倭国の海軍力のすごさを認識したからであった。戦略的なミスと倭国水軍の統制がとれていないこともあったが、その増員力、操船技術などには驚嘆したのではないか?

 唐・・・というか支那の王朝は陸軍国であることが多い。唐もまたしかりで、志那は近現代にいたってもその傾向が強い。だから海を越えてきた倭の水軍に怖さを感じたのだろう。

 著者は『白村江』と前後作の『大化改新』、『壬申の乱』(どちらも中公新書)を合わせて「古代王権・三部作」と言っている。さらに『蘇我氏四代の冤罪を晴らす』(学研新書)もあって、日本の古代史を深堀するにはもってこいかも。

 これらの新書は全部、ワシャの机の上にある。さあて、古代のロマンに入っていきましょうかねぇ。