あまり言いたくはないけれど・・・

 ワシャは人相を観るものである。ワシャの視点から言えば、道鏡、かなり人相が悪くなっている。弥栄を願う一臣民からすると、悠久の伝統の先に暗雲が立ち込めているような気持に陥るのであった。

 残念ながら、人の世には個人の人生や幸福や思考より優先すべきものがあることを、元姫御子はお考えいただきたい。

「結婚は自分たちの心を大切に守りながら生きていくために必要な選択です」

 と、言われておられますが、元姫御子は、「公と私」ということをお考えいただきたい。知らないなら司馬遼太郎の『風塵抄』なり『この国のかたち』をお読みくだされ。

 少なくとも「私」に優先すべき「公」は、絶対的に存在する。それは二千年の歴史であったり、日本人の「心」である。それは個人の「心」のスケールとはまったく比較にならないほど巨大な膨大なものであって、1万人の命を救うために自分の命を犠牲にできるかどうかということなのである。

 もちろん自分の命は大切だが、乗客を見捨ててパンツ一丁で船から逃げたセオル号の船長にはなりたくない。

 しかし、自分たちだけを守りたいと言われるご発言には船長と同根のものを感じ、それはおそらく「公」に生まれ「公」に生きてきた姫御子のものではなく、その配偶者のもつ色合いのような気がする。