喬太郎来たる

 昨日は、朝から町内一斉清掃があった。たまたま自宅と離れたところに物置小屋があって、そこの組ともつきあいをしなければならない。自宅の組の清掃開始が午前8時、物置小屋の組が午前7時だった。だから、2時間たっぷり清掃作業に勤しんだ。
 もう汗びっしょりですな。作業を終わってシャワーを浴びる。それから書庫のパソコンの前に座って日記も書く。書き終わったのが11時49分。およよ、もう出かける支度をしなくちゃいけない。
 午後からね、「へきなん落語会」があって、そこに柳家喬太郎が来るんですぞ。落語仲間の友だちに頑張ってもらってゴールデンチケットを手に入れているのじゃ。だから、落語仲間と出かけたのであった。

 出演は喬太郎と、弟弟子の喬之助(真打)、さん若(二つ目)。
 まずはさん若。ネタは「権助魚」。旦那が妾を囲っているらしいと感づいた女房が、飯炊きの権助に1円を渡して「旦那のお供をして行き先を確かめてこい」と命じる。ところが権助の挙動が不審なので旦那にばれて、2円で買収され「アリバイ工作」を頼まれる。お店にもどり女房に取り繕うが田舎者の権助はトンチンカンな答えを連発して、旦那の浮気がばれてしまうというもの。
 さん若、まもなく真打に昇格するとのことだが、なかなか達者な噺手だった。これからの精進によってはいい落語家になりそうだ。
 次が喬太郎。噺は「そば清」。別名を「蕎麦の羽織」。古典中の古典で、多くの噺家が演っている。さすがに喬太郎は、清兵衛を「賭け蕎麦で家を三軒建てた男」という設定にして、きめ細かく清兵衛を描きこんでいく。杯数によって蕎麦の喰い方を演じ分け、若い衆と清兵衛のやり取りも微量な毒を含んでおもしろい。
 三番目は、喬之助。ネタは「締め込み」。これは泥棒噺である。泥坊が空き巣に入ったのだが、そこに旦那と女房が次々と帰ってきて、騒動を起こすというもの。喬之助、真打昇進は平成19年ともう10年以上も前なのだが、もうひとつ旨味のようなものが醸成されていない。まぁ、大名人の喬太郎のすぐ後に演ったというハンデもあったと思うが、もう少し精進をしてほしい。だってさ、のっけに演ったさん若のほうが、旨味があるんだもの。
 そしてトリは喬太郎。ネタは「粗忽長屋」で、浅草で行き倒れた男を自分だと思い込んで引取りに行くというナンセンスな噺で、粗忽噺の中でも一番演じられる定番中の定番。
 喬太郎には、新作落語を期待していたが、オーソドックスなものばかりになった。まぁそれでもおもしろいからいいのだけれど、名古屋の料亭で聴いた喬太郎のエロ噺は大爆笑だった。さすがにあのネタは公共施設ではできないかもね(笑)。
 その後、碧南には店がなかったので、刈谷駅前に出て反省会。あ〜楽しかった。