1970年のこんにちは

 46年前の今日、大阪の千里丘陵で「EXPO70」が幕を開けた。おそらくワシャが小学生の時の話だから、ワシャより若い方はピンとこないでしょうね。「こんにちは〜こんにちは〜世界の国へ〜♪」って三波春夫さんが唄っていた。「なんだか未来は明るいな」って思わせてくれる一大イベントだった。
 ドラマ「柔道一直線」の影響をもろに受け勉強などせずに柔道場に通っていた。それでも時間ができると、SF小説ばかり読んでいたアフォ小学生だった。だから、国際情勢とかなんにも知らない。ソビエト館を見上げても「デッケー!」と感心しただけだし、アメリカ館を眺めて「ベッター!」とか驚いていただけである。米ソが冷戦をしていたなんてちっとも知らなかった。今はなきベトナム共和国のパビリオンに行った。そこで国旗をデザインした切手を買った。あの少年が払った200円は戦費に費やされたのだろうか。イラン帝国館もあったなぁ。中華民国館もあったし、香港政庁館もあった。米ソの対立はあったし、もちろんその代理戦争もあちこちで起きていた。アフォガキが知らないだけなんだけど、なんとなく世界は落ち着いていたように見えた。未来はきっとよくなるんだという希望があった。
 半世紀も立たないうちに、世界情勢というものはここまでぐちゃぐちゃになるものなんだね。「人類の進歩と調和」を希求したいけれど、明らかに「人類は後退と混乱」の時代に突入している。千里丘陵の夢は潰えた。