北を笑えるか その1

 北朝鮮が金総書記の後継に三男の正雲(ジョンウン)氏を選んだ。これで祖父、父、息子と3代の世襲となる。
http://japan.donga.com/srv/service.php3?bicode=080000&biid=2009060336028
 これで北朝鮮は名実ともに専制君主国家になった。コラムニストの勝谷誠彦さんは「軍国主義国家」になったと言っている。一連の動きを見ていると、確かに統治体制が変わってきていることは確かだ。
 朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法第1条にこうある。「朝鮮民主主義人民協和国は、全朝鮮人民の利益を代表する自主的な社会主義国家である。」
 ええい!国名や主義名が長すぎるから字数をとられてかなわんわい。とうに社会主義的なものや人民が主権を持っている実態などないのだから短く「金王国」でいいと思う。
 しかし、このことを日本人は笑えない。「週刊朝日」の6月12日号に、「世襲亡国論」という記事が載っている。金一族のことを笑う前に自分たちの足元を見直さなければならないだろう。日本のあちこちで権力の世襲がまかり通っているではないか。
 相州横須賀藩を見ろ。初代小泉又次郎が1907年に横須賀市議会議員になって以来、小泉純也小泉純一郎と102年も政治権力の座に居座り続けている。その上、無能な四代目を後継指名している。横須賀には小泉家以外に政治を志す人材がいないとでも言うのか。そんなことはないだろう。必ず三浦半島の草莽の中にこの国を憂う坂本竜馬のような人材がいるはずである。それをこの一族は100年にわたって阻害してきた。そしてまた何十年も無能な人物を担いで邪魔をしようとしている。こんな世襲を許している国民が北朝鮮世襲を笑えるだろうか。
(下に続く)