問題ない問題本

 先日、近所の書店の親書の棚で、石神賢介『おどろきの「クルド人問題」』(新潮新書)を見つけた。でも手に取らずに素通りをした。

 そうしたら、なんだかSNSで盛り上がっているんですね。ニュースを検索してみらたこんな大問題になっていた。

《「クルド人をことさらに危険視させる書籍はヘイト本紀伊国屋抗議の福島氏コメント全文》

https://news.yahoo.co.jp/articles/d847cf128c7c2f37647cc387ba5f114f6eb9fdbf

 でね、昼にちょいと書店に寄って、早速買ってきてしまいました。クルド人の味方の埼玉県鶴ヶ島市市議が紀伊国屋、新潮社に抗議した結果、この本は販売部数を伸ばしていくに違いない。逆効果だったね(笑)。

 抗議した市議、ちょっと前にもニュースになっていた。

《発言自粛求められた市議「声上げ続ける」 共産は謝罪 埼玉・鶴ケ島》

https://www.asahi.com/articles/AST8541MST85OXIE022M.html

 なかなかにぎやかな議員のようだ。SNSなどで「外国人差別反対」と発信を続けているらしい。その延長で『おどろきの「クルド人問題」』に食いついてきたようだ。偏向が進行すると、さしたることもない新書にも強い反応を示すんですね(笑)。

 さて、前のニュースに市議のコメントが載っている、それを見ていきたい。

 当該市議、「タイトルが差別だ」と言う。このタイトルだと「クルド人に何か問題があるように誤認させる」とも。

 要するに、川口で起きている諸々のクルド人による問題行動は、「クルド人による問題ではなく、クルド人に対する日本社会の問題」だと主張する。おいおい、論点を「日本社会」という大きなものにすり替えれば、ほとんどの物事が含まれてしまう。これ左巻きがよく使う手なんですね。

《『クルドカー』と批判されているトラックの多くは過積載ではありませんし、ドライバーがクルド人かどうかはほとんどのケースで確認されていません」》

 市議はこう言うけれど、「過積載ではない」とか「クルド人ドライバーかどうか確認されていない」とかの確認は、その市議、しているのかニャ?

 この他にも、本の随所にケチをつけているんだが、そのすべてが「どうでもいいじゃん」というケチばっかりなのであとは触れない。どちらにしても「ヘイト本」の烙印を押すのはダメじゃん。普通にクルド人問題、移民問題を扱った新書である。まったく問題はない。