議員という無駄

 ちょっと前に、香川県議会の海外視察が話題になった。ワシャには仲のいい県会議員もいるのであまり強くは言いたくないけれど、基本的に「下手な考え休むに似たり」ということなのである。

《「高額」批判の海外視察から帰国、香川県議長は「成果あった」と強調》

https://www.asahi.com/articles/ASRCN641HRCNPTLC016.html

 香川県の議員程度が南北アメリカ大陸を縦断視察したって何ほどのものが得られようか?国家を担おうとする伊藤博文山県有朋が行くのなら大枚を費やしてでも、行く価値はあるだろう。たかが・・・と言っては申し訳ないが、しょせん香川県である。巨額な旅費を使ってまで議員が現地を見なければならないことなどない。おそらくこの先生方が現地で見聞きしてきたことよりも、ワシャが図書館で読んだことのほうが深いし詳しい。

 まさに無駄な時間と金を費やしただけ。国会議員はエッフェルネエサンが見事に体現してくれたが、首長、都道府県議、市町村議まで全国の1700自治体でやっている視察と称する旅行の99%は必要のないものと考えている。

 一例を挙げたい。ワシャのよく知っている(笑)市会議員がいた。彼は長老議員から「テーマはまかせるから視察先を決めてくれ」と言われた。そこで彼は、自分自身のライフワークである「災害」の現場を2カ所リストアップし、その他にも再エネの如何わしさを検証するために「太陽光発電」の現場などを合わせて5カ所を選んだ。東海地方から九州への2泊3日で、視察先5カ所はちょっと多い。しかし移動の列車の中で事前レクチャーをすれば効率よく行ける。

 そんな内容で長老に相談すると、そもそも何も考えたくない長老は「いいんじゃない」と快諾した。

 そうなればこっちのもので、全員で5カ所を、個人的にその他で2カ所を視察して、濃密で情報量の多い時間を過ごすことができた。

 しかし、夕方からの食事会と称する宴会に遅れてしまったので、「遅いじゃないか」と、長老に叱られた。もともと酒癖の悪い長老、すでにかなりの酒を聞し召しておられたのでしつこいしつこい。あんたが活躍するのは飲み屋だけだね(笑)。

 こういう議員は多い。しかしまじめな議員もごく少数だがいる。ざっくり言うと、バカのほうが多いから、まじめな議員には申し訳ないが、議員視察など止めておいた方が税金の無駄遣いにならずにすむ。

 どうしても現地が見たければ自費で行けばいい。自費なら、酒を飲んで大声を上げている時間がもったいないと自覚するだろう。

 南北アメリカ大陸縦断旅行に行った議長がこう言っている。

《南米の県人会の周年行事に参加した際のやりとりを挙げて「来て頂いてありがとうと言われ、出身県を大切に思ってくれているのを感じた。成果はあった」と強調した。》

 それが成果かい?そんなことなら熱烈な手紙をしたためれば充分に気持ちは伝わるし、なんならあんたらの旅費の10分の1でも支援金として送ってやれば、同様のコメント程度は得られる。

 そうすれば大名旅行に使った県費の10分の9が節約できる。頼むから香川県で寝ていてくれ。