まともなときもあるじゃん(笑)

 今日の朝日新聞の投稿欄は、興味深い主張が多く、「ううむ、朝日新聞の読者はやはりレベルが高いな」と久々に思わされた。

 まずはこれ。

【力士潰すな 大相撲は一大改革を】

 90歳の元大学学長の投稿だ。要は、昨今の力士大型化に伴い怪我の増加を懸念している。両膝、両肘、手首、足首に包帯を巻いた横綱なんて格好悪くて見ていられない。かつては「公傷制度」というものがあって、土俵上での怪我については、番付を下げずに治療に専念できる制度があったが、それが廃止されてしまった。だから、照ノ富士も宇良も若隆景も大きく番付を下げて序二段あたりからやり直さなければならなくなる。だから力士たちは一刻も早く土俵にもどろうと無理を重ね、土俵人生が短命になってしまう。元学長は言う。

「協会の顔として傷も治らないのに巡業などに参加する上位力士は、好んで負けているのではない」

 仰るとおり。年6場所、その間を地方巡業で埋める。さらにガタイのいいモンゴル人力士の荒っぽい取り口などが怪我を誘引しているとワシャは思っている。日本人とはそもそもの体格、筋肉などの構造が違うモンゴル人の大量導入が、土俵を危険な場所に変えてしまったということも否定できない。

 横綱大関、関脇にずらりとモンゴル人力士が並ぶのではなく、大の里や琴桜、熱海富士や王鵬に頑張ってもらいたい。日本の伝統文化に日本人が活躍する。もう少し相撲協会のお歴々はトータルとしての台本を考えたほうがいい。

 次の投稿がまた光っている。71歳の女性からの投稿である。

国立劇場 伝統芸能継承のために】

 文化伝統にまったく興味がなく、やりたいことは「人事」だという朴念仁が権力を掌握するとこういうところにも害が出るという典型。

 皇居の西にある国立劇場である。ワシャも歌舞伎を観に、何度も足を運んだ。国立劇場でしか買えない『国立劇場上演台本集』は何冊もワシャの書庫に並んでいる。行くたびに「いい施設だなぁ」と思った記憶がある。

 この女性も同様で、中学校時代から半世紀以上、伝統芸能の拠点に足を運んだという。それが昨秋、建て替えのために閉館されたのだが、入札不調で開場の目途が立たない。女性は言う。

《そもそも国立なのに民間丸投げの再開発はいかがなものかと感じます。》

 そのとおりだ。国立劇場である。さっさと国が、岸田が造ればいい。いいかい、地方の小さな町だって60億くらいの図書館を整備してしまう根性がある。それが日本国ですぜ。200億や300億の金はさっさと出して、日本文化に貢献しろっちゅーの。

 あるいは元の建物風情があるので改築・改装でもいい。やり方はいくらでもあり、国は金をふんだんに持っている。あるいは、都知事選を前に貧民に金をばら撒く小池都知事に分担金を要求してもいいだろう。岸田も、文部科学省も、文化庁もさっさと仕事をしろ!投稿はそこまでは言っていないが、ワシャが補足しておく。

 投稿欄の最下段に61歳のパート女性の意見が載っている。

【議員さん 庶民の生活わかりますか】と題された投書の最後にある《政治をボランティアでする国もあるのに、なぜ日本ではお金がかかるのですか。特権階級として国民をふみつけているようにしか思えません。》ということにつきる。セクハラ、パワハラ首長から、支那人にパーティー券を大量に買ってもらいながら、そのことをうやむやにして幕引きを図る岸田。もう日本の政界は腐りきっている。安倍晋三氏の時に少し改善の兆しが見えたけれど、見事に岸田がそれを粉砕し、安倍派をも粉砕した。

 岸田がそもそも世襲議員で、何の苦労もなく育ってきた。もちろん庶民の生活など体験したこともない。そんなのが、山ほど棲息しているのが永田町というところである。総理大臣だけでなく、松本総務大臣、鈴木財務大臣、盛山文科大臣、武見厚労大臣、伊藤環境大臣、林官房長官、河野デシャバル大臣、土屋復興大臣、加藤笑止か大臣、自見アイヌ大臣と11人も世襲系議員で占められている。恐ろしいことにこの人たちも大半が地方を知らない。もちろんずっと東京首都圏でお暮らし遊ばしている上流階級だから世間も知らないのだ。そりゃ地方が衰退するわけですわなぁ。

 どうでもいい情報だけど、ワシャは『国会便覧』を持っている。そのP106、P107に16人の衆議院議員が載っているのだが、その内の半分8人が世襲議員である。顔写真の上に(世)と鉛筆で書いてあるんだけど、このページだけでなく、どのページにも(世)の字でいっぱいなんですね。

 この国は江戸の幕藩体制と大して変わっていない。殿様が江戸につめて政治をするる形態がずっと続いている。さらに殿様たちは江戸(東京)で俸禄が貰えるし、明治以降、各藩の自治権力が中央に奪われてしまったので、地方が百花繚乱だった江戸期とは雲泥の差となってしまった。

 今は、「参勤交代」ならぬ、「参勤居っぱなし」の時代なのである。その上に年貢をとられる民の50%がバカ、残り半分の内、20%は売国奴という状況では、国は成り立ちませんぞ。

 それでもサヨク機関紙の読者にもまともな人がいることが判っただけ、今日の朝日新聞はちょっとだけよかった。

 

(参考文献)

世襲議員ゴールデン・リスト』(データハウス

八幡和郎『世襲だらけの政治家マップ』(廣済堂新書)

上杉隆世襲議員のからくり』(文春新書)