玉石混淆

 元国会議員が立ち上げている政治塾、勉強会があるという。そういうものが定期的に開催されていることは知っている。

 地方政治に詳しい知人が、能力の高い後輩に「そこに入って政治的なことを勉強するのが国会議員、地方議員への近道だ」というようなことを話していた。

 それをワシャが聞きとがめた。

「ワシャはそこの塾生を何人か知っているけれど、まともなのはいなかった。それに塾を主宰する元議員だって、凡庸な人物と見ている」

 というと、知人は「塾生は玉石混淆だから、いいのもいる」と反論してくる。

 まぁ楽しい飲み会の席だったので、言葉尻に突っ込みを入れたくらいで、話題を換えましたがね(笑)。

 ただ、ワシャはその塾長を知っていて、地方政治ではドンもどきだったが、国政レベルではなんの実績も残していない一票議員だったことは間違いない。塾生は塾長の能力以上には育つものではなく、そもそも歴史観も国家観も持っていない人の塾に通って何かを得られると考える方がおかしい。

 松下村塾吉田松陰が塾長だったから俊英が何人も育ったのである。塾長が山県小助であったなら日本を壊していたかもしれない。そういうことなのである。

 その元国会議員の塾に足しげく通っている地方議員を知っているが、歴史観は中学の教科書の内容すら危うい。国家観は、直近の一般質問では地元町内レベルの話に終始しているくらいだから、自治体全体の考えるところまでもたどり着いていない。目指しているのは議長の席、あわよくば県会議員と思っているが、いやいや、まず己を知るべし。本などはまったく読んだことがなかろうから、コミックの『昭和天皇物語』あたりから勉強するがよろしい。

 

 はっきり言おう。国会、県会、市町村議会、とくに自民党系の劣化が激しい。これは事実。議員なんてバカでもできる・・・なんてことは言わないが、本を一冊も読まず、凡庸な元国会議員の話を聞いて納得しているような知的レベルではいけない。

 一所懸命に勉強して、日夜情報収集し、毎回の一般質問で堂々と議論している野党議員もいる。

 

 冒頭の話にもどすが、自民党長老のところに足を運んで、その柵(しがらみ)の中に入らなければ立候補できないなどという暗黙のルールがあるとするなら、それこそが日本の政治を悪くしていると言えよう。

 とにかく無能な人物が首相をやっている今、政治を変えるチャンスだと思っている。