南海トラフ地震のマヤカシ

南海トラフ地震の発生確率「科学的事実に反するおそれ」 非公表資料に記述維新が国会質問》

https://news.yahoo.co.jp/articles/3338282941a298efbf8df5190f216653321d97ae

 猪瀬直樹氏にしてはいい質問をしているじゃないか(笑)。

南海トラフの発生確率が水増しされていなければいいが、“発生80%”という数字が一人歩きして、いろいろな政策をゆがめてきたのではないか」

 仰るとおり。小沢慧一『南海トラフ地震の真実』(東京新聞)でも読んだかな?

 読書家の猪瀬氏のことだから読んでみえるだろう。そして、その内容に驚いて参院予算委員会での質問につながったと推測する。

 ワシャは20年くらい前から、いわゆる地震学者どものいう「東海地震」、その後の「南海トラフ地震」というものに疑義を呈してきた。あちこちの地震の後援会などで、地震対策を進めようと言いながら、「東海地震」、「南海トラフ地震」の発生確率、国の出している東京から以西の太平洋岸が真っ赤に染められた日本地図の如何わしさを説いてきたつもりだ。

 地方で地道な防災活動をしてきたワシャのような者でも、少し本を読んで勉強すると、その程度のことは理解できた。

3年前の3月には「地震予言」という日記

https://warusyawa.hateblo.jp/entry/2021/03/09/123907

を書いているし、19年前の2005年12月18日には「平田博士」と題した日記

https://warusyawa.hateblo.jp/entry/20051218/1134885807

で、地震予知について笑っている。

 2005年以降、どれほどの大きな地震が、南海トラフ地震想定域以外で発生し、甚大な被害を出していることはご存じのとおりである。

 これは一重に、東海地方を真っ赤に塗った日本地図を奉り、「30年以内に70~80%」の確率で南海トラフ地震が起きると喧伝し、研究費をちょろまかしてきた連中の罪は重い。

南海トラフ地震の真実』の中に氏名も記載されているから、公のこととして名前を挙げても問題なかろう。

 名古屋大学の福和伸夫教授である。この人は元清水建設建築士で、そこから建築防災の方面で学者になった人である。講演を何度か聞いたし、実は直接話もしたことがあるのだが、よくペラペラ回る舌が印象的で、本にも書いてあるが聴衆に「あなた死にますよ」などと強い言葉で危機意識を持たせることが得意な先生でした。

 ちょっと本を引きますね。

名古屋大学の減殺連携研究センターは「産・官・学・民」の連携を目指し、企業からの寄付により運営が支援されている。》

《2011年度から2017年度の7年間で約6億9000万円の寄付がされていた。》

《「確率を下げたいという地震学側に対し、かなり強い反対があったみたいです。これ、発言したの、(福和)先生かなと思っているんですが」と尋ねると、福和氏は「そうです。私が文句言っちゃった」と認めた。》

 ここからが福和氏の重要な発言である。

「今まで、時間予測モデルと単純平均モデルだと、時間モデルのほうがいいという説明だったんですよ。ただ今回は、急に時間モデルの確率に違和感があるので、確率を下げると言い出した。これまでそれで防災対策をやってきたのに、根拠なく全国と同じやり方で確率を出すと言われると、それって防災上いかがなのかと思うわけです。時間予測が成り立たないというなら、その根拠を示さなくてはいけない。それより前に全否定することはないでしょ」

 これ、突っ込みどころ満載の発言なんですが、「全国と同じやり方で確率を出すと言われると違和感をもつ」って、おいおい、アンタの担当する地域だけ別の方法で70~80%という発生確率をはじき出していたんかい!アンタが支援を受けるには、そりゃ高い確率のほうがおどろおどろしくていいもんね。

「時間予測が成り立たないというなら、その根拠を示せ」って、だったらさ、あんたらが何十年ももたれてきた時間予測が成り立つという根拠を示せよ。

 福和氏、さらに口が回ってしまった。

「30年確率はすごく重要な数字で、それなりの影響力があるんです。数字が下がる意味は大きい。国土強靭化計画の話を含めて、いろいろなものがストップされることになるんです」

 そりゃ影響力はあるでしょうよ。30年以内に東日本大震災級の大地震が起きるっていうんですから。でもね、そこにばかり注目された結果、他の地域での被害が深刻な状況になってしまったことの責任はどうするの?

 そりゃ確率が20%ということになれば、いろいろなものがストップしますわなぁ。国からの研究費も減るだろうし、企業からの寄付も減額されるだろう。それが恐くてキャンキャン鳴いているのかな?

 ことほど左様に、「南海トラフ地震」の予言は、30年前大流行した「ノストラダムスの大予言」と五十歩百歩のものだった。

 さらに言えば、脱炭素、環境問題、SDGsなども如何わしさから言えば、似たようなもの。同時期に、福和氏と同じような立ち位置の環境問題研究家が「このまま温暖化の状況が続けば北極の氷が融けて20年以内に濃尾平野は水没する」と言っていたが、いまだに全然大丈夫だし、そもそもこの研究家、アルキメデスの法則を知らなかった。

 こんなのに騙されて「えー、二酸化炭素の排出を何とかしなくっちゃ」と踊らされた人間がどれほどいたことだろう。ま、今もいるけどね。奴らは手を替え品を替え、公金を吸い出そう、寄付を求めようとするから注意が必要だね。

 とにかくリテラシーを付けることが大切ではないでしょうか。