地震に対する認識を改めよう

《「南海トラフ巨大地震」が起きたら、

「絶望的な揺れ」が襲う「愛知県」の地名》

https://news.yahoo.co.jp/articles/a2cfbf1487e274a608fc4f583cb9345debba6117

 この1400文字程度のニュースの中に、「予測される」「可能性がある」「なるだろう」「想定される」など推量の言い回しが22か所出てくる。全体は自治体の列記などを除いて25文からなっており、その頻度に少々驚いた。

 結論を言おう。つまり南海トラフにまつわる「巨大地震」「巨大災害」「津波被害」が、すべて推量の域をでないということなのである。

 要は、ワルシャワが宝くじで3億円当たるのと同じで、「予測」しているし「可能性」はあるだろうし、当てれば大金持ちに「なるだろう」し、大邸宅を建てることも「想定」されるのだ。

《その被害予測は、東日本大震災の10倍ともいわれており、まさに「未曽有の国難」といえる事態になるだろう。》

 この1文の中にも「予測」、「いわれており」、「なるだろう」と書き手が断定することはひとつもない。

東日本大震災の10倍になるかもしれないが1/10になるかもしれない。未曽有の国難になるかもしれないがならないかもしれない」

ということなのだ。

 事程左様に、地震の予知、予測など現在の科学ではできるものではない。

 でね、この記事、《内閣府防災担当が平成24年に発表した「南海トラフの巨大地震による津波高・浸水域等(第二次報告)及び 被害想定(第一次報告)について」という資料》に基づいて書かれているのだが、平成24年では能登半島は、地震など起きない想定になっている。そのいい加減な予想、占いに近いトンデモ予想が、今回の能登の被害を大きくしたと言ってもいい。

 その占い資料を基にして、愛知県の23の自治体が震度7に襲われると書く。

 東海市刈谷市もその23の中に入っているが、両市に挟まれた大府市は含まれていない。やはり震度7の地域として名前の挙がっている名古屋市港区と東海市の間にある伊勢湾岸地域の名古屋市南区も一覧の中には入っていない。しかし、内陸部の岡崎市新城市はリストに挙がっている。

 どうでしょう、こんなリストを公表する必要があるでしょうか?