産経新聞オピニオン欄に登山家の野口健さんの連載コラムがある。「直球&曲球」というもので、本日は《寝袋ひとつで助かる命がある》と題して、ご自身がトルコ地震に対して実行した「寝袋支援プロジェクト」の話だった。この中に響く言葉があった。
《被災地支援は時間との闘いだ。全ての段取りが整ってから活動を始めたのでは間に合わない。》
スタッフからは「トルコから断られたらどうするの?」という疑問も呈されたが、そのときは「ごめんさない」と謝ればいいと潔い。
ワシャの言っている「拙速は巧遅に勝る」というこっちゃ!
兵庫県明石市の泉市長も、千葉県流山市の井崎市長も、「子育て支援は時間との闘いだ。全ての段取りが整ってから活動を始めたのでは間に合わない」と言ったかどうかは定かではないが、間違いなくそう考えて迅速に動いているはずだ。
ここで「ちゃんと段取りをしてからでいいじゃん」と言っている自治体はバカの誹りを免れない。
ちょうど同じページに東京外語大学の篠田英朗教授の《「ガラパゴス国会」を生む背景》と題した論説がある。詳細には触れないけれど、行政、あるいは議会に対してこう指摘する。
「事なかれ主義体質」、「誹りを受けることがないように忖度」、「誰も主体的に積極的判断をしていない」、「責任転嫁を続けている」
そしてこう問題提起をする。
《国力の衰退が著しい日本が、そのような指導者層の文化を許容したまま、やっていけるのかどうか》
《元気のない自治体が、そのような指導者層の文化を許容したまま、やっていけるのかどうか》
速し善し、ちょうどよし危うし。どんなに練られていようとも遅きに失したものを愚策という。