新聞を読んで考えよう(笑)

 中日新聞朝刊1面。2つの首長選挙の結果が出ている。

 一つはトップで右肩大見出し。

横浜市長に野党系・山中氏》

https://news.yahoo.co.jp/articles/d18598bb2244d56c0705a8600b06e0db6aa90c4d

 立憲民主党推薦の山中氏が50万票を超える得票で当選した。菅首相が推した小此木氏が32万票、現職の林氏が19万票、前神奈川県知事の松沢氏が16万票となっている。

 まず問題点を言おう。立憲や共産の推す人物を知事にしてはいけないって。IR誘致で対立をしているからといって、保守系を割ってしまうのは愚策だ。

 さらに75歳の婆さんが、いくら現職だからといって出馬するのはいかがなものか。

 いいッスか!地方行政というは、その地域の将来を念頭においてものごとを考えていかなければならない。将来を考えるというのは、その将来に生きている者が具体的にイメージできるのであって、それは坂の上の雲を見ている若者にこそ相応しいのであって、ジジイ、バアアは適当な時期に若手、後進に道を譲っていかなければいけない。

 それをこのババア・・・失礼・・・この現職は見誤った。同様なことは、愛知県の西尾市でもあって、当時の現職が次の期中に80を超えてしまうジジイなのに出馬して、若手市議会議員から転身した候補者に惨敗を喫している。

 そういうことなのだ。そもそもババアが遠慮していれば、小此木氏の票と合わせて51万票になっている。そうすれば立憲共産党の首長が生まれることもなかった。

 1面の左下隅に《高浜市長吉岡氏4選》という小さな記事が載っている。高浜市は西三河の小さな自治体で、人口4万6千、面積は13㎢しかない。どちらかというと、この程度の規模で地方自治体が必要なものを一式揃えるのは大変だなぁと思う。

 370万人の横浜市でも、4万ちょっとの高浜市でも市長は必要だ。副市長も教育長も議会もなくてはならない。それどころか自治体機能をフルセットで持たなくてはならない。

 ワシャは自治体の規模として30万~50万人程度を善しとするものである。その点からすると横浜も高浜も適正規模とは言えない。しかし、日本の地方自治は、そのどちらも存在を許容しているのであって、これは是正しなければならないと思っている。

 横浜は区を30万人くらいで割っていけばいい。高浜は近隣自治体と合併するべきだろう。少なくとも4選目の市長が無投票で当選するような、市民が自分の意思を表明できない選挙は避けなければならない。

 でも、4万くらいの小さな自治体では、町内会長に毛が生えたくらいのことなので、一旦、可もなく不可もない人物が当選すると「あの人でいいじゃないか」という暗黙の了解のようなものが醸成される。要は小さな町で、対立軸ができることを嫌うのである。

 

 おもしろい本を見つけた。伊藤大輔『おいしい地方議員』(イースト・プレス)である。著者の伊藤氏は秦野市議会議員ということもあって、この本ではとくに市町村議員について語っている。必ずしもすべてが首肯できるわけではないが、「ジジイ、ババアがいつまでもやってんじゃねえぞ」というところでは共感した。少し引きたい。

《「議員の任期は一人12年(3期)まで」 当選回数の制限(多選の禁止)を検討するべきだ。変わる時には1年目から変わる。変えられない人は何年やっても変えられない。10年やって変えることができなかったものを、同じ人がそれ以上やって変えられないのは当然だ。》

 仰るとおり。この文中の「議員」は「首長」に挿げ替えても通用する。何もしない首長は「旧態依然とした既得権」を守るには最適で、そういった意味で長期政権となる。高浜がそうだとは言っていない。高浜は自治体規模が小さくので現職を凌駕する人材がいなかったことと、コップの中の争いを避けた結果だろう。

 どちらにしても吉岡市長にはがんばってもらいたい。あ、そうそう、地方版に関連記事があって、その中に市長の発言も含めてこう書いてあった。

《「新しい図書館のあり方、姿を市民のみなさんと考えながらつくっていきたい」と意欲を示した。》

 ううむ、残念ながら4万ちょっとの自治体での図書館というものはそれほど充実できるものではない。むしろ近隣に大きな図書館を有する自治体があるし、安城市は図書館ネットワークでは全国的にもトップレベルだと聞いている。そういったところと連携するのも検討の中に入れておいた方がいい。

 

 いろいろ言いましたが、紙面右上と左下で考えさせられましたぞ(笑)。