素晴らしき日本人

 今朝の産経新聞が陸軍中将樋口季一郎について触れている。樋口中将、知る人ぞ知る。軍人の鏡というか日本人の鏡のような人であった。

《樋口中将はユダヤ難民を旧満州で救い、終戦後にソ連軍による北海道侵攻を防いだ》

 現在も77年前も卑怯で凶暴で悪辣なロシヤは、日ソ不可侵条約を一方的に破って、終戦後に北方領土に北の端、占守島に攻め込んできたのである。ドイツとの戦争はすでに5月に終わっていて、西部戦線の大軍団を東のカムチャッカに移送し、満を持していた。そのあたりのことは浅田次郎『終わらざる夏』(集英社)に詳しい。

 まぁなにしろ満を持してロシヤ軍が占守島の守備隊に不意打ちで襲いかかったが、これがロシヤ通で切れ者の樋口中将、「ロシヤならこの機に乗じて攻めてきてもおかしくない」と判断し、ロシヤとの戦闘を決断した。

 そして占守島戦は日本軍の大勝利となり、北海道まで進軍して東半分を手中に収めたかったロシヤ軍の出鼻を挫いたのだった。

 樋口中将ではなく、インパールの牟田口あたりが占守島守備についていたら、今頃、北海道の半分はロシヤになっていたことだけは間違いない。

 日本軍にはこういった優秀な軍人も多かった。もちろん牟田口のようなバカも数多存在しているが、それはどの組織体でも同様で、凸凹商事でも優秀な社員もいれば、盆暗社員もいるようなものである。

 

 牟田口のような軍人は忘れ去られていけばいい。しかし、樋口中将のような偉人は後世に語り継いでいかなければいけないと思っている。しかし、戦後の反日教育のせいで、軍人を偉人の列に並べることを極端に嫌う空気が蔓延してしまった。むしろ外国人のほうが客観的に視点で樋口中将を評価している。記事中にあるロバート・エルドリッヂさんの言を引く。

「樋口中将の人道主義は普遍的で時代を超える。勇気と知恵で国を救った最高の尊敬と表彰に値する」

 日本人は左翼・売国反日の呪縛から脱去し、真の日本人、偉大なる日本人を軍関係者であろうとも顕彰すべき時期に来ているのでないか。

 ワシャの母方の叔父も志那戦線で戦った勇者だったが、戦後、そのことを積極的には語らなかった。しかし、「オジサン、兵隊さんの話を教えてよ」とねだると、訥々と思い出話をしてくれたものである。

「日本の兵隊さんは頑張ったぞ」

 そういって眉間に皺を寄せた叔父の顔を今も鮮明に記憶している。身内びいきになるけれども、叔父も寡黙で働き者の日本人だった。戦後の彼の生き様を見ていると、左翼が喧伝する日本兵の悪辣さなど微塵も感じるものではなかった。

 そろそろ正しい歴史を子供たちに伝えていきましょうよ。