病院見学

 昨日は、地元の病院の増築工事が完了したので、その内覧会に行ってきましたぞ。増築したのは、「予防医療センター」で、要するに人間ドックに対応する棟が増設され、従来よりも広いスペースが確保され、動線もスムーズになり、受診者の負担が大幅に軽減されましたとさ。

 また、その上層階には「高精度放射線治療センター」が新設され、「Radixact(ラディザクト)」とか「CyberKnifeサイバーナイフ)」というような最新鋭機器が導入されいている。

「それ何やねん?」という話なのだが、「Radixact」は、全方向から広範囲に高精度放射線治療が行える機械なんだそうな。「CyberKnife」は、ピンポイントでがん病巣を多方向から狙い撃ちできる集中照射定位放射線治療装置なんだそうだが、まぁ興味のある方は調べてみてくだされ。

 とにかくその治療機のスペースに入った時には、SF映画の宇宙船に紛れ込んだような錯覚を起こしましたぞ。

 さらにその上層階には入院病棟が新設されており、何十室という個室が居並んでいる。中に「特別室」という部屋があって、これなんかトイレもシャワーもそれぞれ個室で付いていて、小さいけれど流し台まで併設してあった。広い病室内にはソファーもあって、ちょっとしたホテルの部屋よりもずっと快適そうである。広い窓からの眺めもよく、高い金を払える入院患者のためを考えた設えとなっている。

 とはいえ、ワシャは絶対に入りたくないと思った。ここで是非とも寛ぎたくない。あまりにも無機質で、広いだけにかえってその無機質感が際立ってしまう。こんなところでチューブにつながれて景色を眺めるのは嫌だなぁ。叶うことなら、ワシャは本に押しつぶされそうな劣悪な環境で、最期の時を過ごしたい。新品の病院を見て、そんなことを感じた。