議員のクオリティ

 昨日の中日新聞社会面に愛知県高浜市の市議会議員の記事があった。市議会本会議を「体調不良」を理由に欠席しながら、自分の会社で働いていた。そればかりかその日の朝に娘とともに元気にジョギングをする様子を自分のフェイスブックに投稿したんだとさ。アホだな。
「娘に起こされて、朝ラン(^^;)」これが午前6時52分の記載。新聞の記事に依れば午前8時に体温を測ったところ38.9度だったそうな。そりゃあなたジョギングをしてきたんでしょ。体は火照っているわさ(笑)。元々熱があったとしたら、ジョギングに行くこと自体が「アホ!」と言われても仕方がない。
 でね、午前中はいい子にしていたらしい。そりゃそうだ、39度近い熱なんだから、朦朧としていなければ嘘だろう。でも、この議員、タフな人なんでしょうね。4時間ほどで復活し午後は自分の会社でバリバリと働いた。議会では一般質問を他の議員がやっている。体調が落ち着いたなら咳止めを呑んでマスクをして、議場に入るべきだった。脇があまい。

 こっちは福井県加賀市の市会議員だ。
《「ゴキブリ入りの料理」加賀市議がネットで飲食店中傷…罰金30万円略式命令》
http://www.sankei.com/west/news/171204/wst1712040075-n1.html
 私的な問題でその飲食店の経営者とトラブルがあったらしいが、それにしても誹謗の仕方が稚拙だ。これでは墓穴を掘って自ら飛び込んだようなもの。市議なのだからもう少し頭を使おうよ。

 子連れで議場に入ってみたり、市職員を恫喝しまくったり、議員の質を問われるような事案が噴き出している。
 でもね、真面目に議員活動をやっている議員もたくさんいる。おそらく過渡期なんだと思う。一昔前とは違って、ふんぞり返っていれば「先生先生」と奉られる時代ではない。きっちりと問題を把握し、的確な質問を放って、行政を糺す、そういった力量がなければ、市民からも職員からもすぐに見限られてしまう。
 今は政治活動をしながら支援者という小うるさい長老たちに追い使われながら、地元の行事にも欠かさず出席をしなければいけない。古いしがらみにも縛られながら、ネットなどを駆使する新世代の市民の対応もしていかなければいけない。大変な時期だと思う。しかし何年かすれば地方議会そのものの考え方に劇的な変化が起きる。実際に一部自治体では始まっているが、おそらくそれほどの時間を経ずして、地方議会は土日や夜間の開催に移行していくだろう。そうすると意識の高い普通の会社員なども参画しやすくなり、議会の風景も様変わりすることになる。繰り返すがモノのいい議員はいる。その人たちには現状の中で地域づくりのために頑張ってもらいたい。

 今月の5日、6日と中日新聞に連続で愛知県安城市の議会の話が載った。記事を読む限りこちらの議員はまともに首長と丁々発止のやりとりをしている。
 5日の記事には、「行政の停滞を招いてはいけないので、3月に辞任した副市長の後任を選ぶべきでは?」という質問が出たことが載っている。安城市は副市長二人制をとっているのだが、2人目を選ぶ市長の腰は重い。安城市規模の自治体になると行政課題は多岐にわたり、事務処理をするのに副市長1人というのはかなり荷が重い。仕事を分けることでそれぞれで的確かつ円滑な仕事ができるし、行政ラインの権限が一極集中することが避けられ、組織の風通しはよくなる。風がよく通るようになれば組織の活性化が進み市民サービスの向上につながる。市長の答弁は「来春以降も一人副市長で」というものだったが、関連質問で同じ会派の議員が「副市長はいわば市長チームの主力メンバーである。主力メンバーを欠いたまま次の試合に臨むのか?」とさらに追及する展開となった。
 6日の記事は、「会派要望の提出に市長がまったく顔を出さないのはどうしてか?」という質問が出されたことに触れている。当該議員は市長に厳しい質問をすることで有名な議員なのだが、その議員に対し「重要な会派の要望を受けるのは信頼に値しない私ではなく、私以外の信頼できる誰かがふさわしいだろうと斟酌した」と回答したんですと。

 市議会は地方行政にとって重要な機会である。こういった熱い議論が行われている隣の市でずる休みをしたかどうかは判らないが、議会をサボって仕事しているってのはいかがなものか。

 議員の話ではないけれど、朝日新聞を読んでいたら岩手のエロ町長が辞任するんだとさ。あの人、顔にエロエロが出まくっていたもんね(笑)。