自治基本条例(メモ)

 憲法学者八木秀次氏が、平成19年に上梓された『公教育再生』(PHP)の中で「自治基本条例」に触れている。噂では、地方で気炎を上げている「自治基本条例反対」系の人々の拠り所のような存在らしい。

 おそらくワシャは、ワシャの周囲にいる「反対」系の人よりも八木先生のことを知っている。まぁ知っていると言っても、書籍やテレビなどを通じての知識でしかないけれど。

 

『公教育再生』に書かれた「自治基本条例」についての部分を抜粋する。

《神奈川県大和市自治基本条例は「市長及び市議会は、市民の安全及び安心並びに快適な生活を守るため、(在日米軍厚木基地の移転が実現するように努めるものとする」(第29条)と謳っているが、この辺りがこの条例の性格を示すものであろう。》

 これは言われるとおりで、この大和市川崎市左傾化著しい自治体なのだけれど、これを八木氏は《議会で多数派を形成できない勢力がNPOや市民団体を名乗って直接、行政に手を突っ込む回路を作ろうというのである。》と指摘している。確かに、自治体の理念の中に、「厚木基地問題」を入れ込んじゃぁいけねえや。

 神奈川県逗子市も酷いらしい。《「非核・非軍事の都市とする」(第2条)、「すべての人を『地球市民』として遇し」「外国人は地球市民にふさわしい権利と責任を、日本国民である市民と平等に有するものとする」(第6条)と謳っている。》

 社会運動家であり当時の逗子市長だった富野暉一郎は、「直接民主主義」「地域の自己決定権」「官民型社会から公・共・私型社会への転換」「国民から地球市民への転換」などを主張していたが、「直接民主主義」は空気、ムードに流されやすい危険なものだし、「地球市民」なんて口にした瞬間に逝っちゃった人だということが判る。

《「公・共・私型社会」でいう「共」とは市民団体のことであり、これと自治体の行政当局が「協働」する仕組みを作ろうということ》だと、八木氏は指摘する。さらに《地域社会と世界が国家を超えて直接影響を及ぼし合う新しい“グローカル”な世界像に対応》することは《要するに国家の相対化であり、否定である。》と言及している。

 また、自治基本条例はその制定後に、「市民活動促進条例」なるものを産み出し、政策決定に参画する「市民活動団体」に補助金を出す仕組みが構築されることを懸念している。この「市民活動団体」が「左翼市民運動団体」いわゆる「プロ市民」ではないかと八木氏は懸念している。

 確かに、大和市や逗子市のような左翼の強いところはそうだろう。そして北海道や沖縄の支那系資本が入り込んでいる自治体ではきわめて心配である。

 しかし、保守系の強い経済基盤のしっかりした東海地方の自治体では、しっかりとした思想性があって策定しているところは少ないのではないか。「自治基本条例」というトレンドのフレーズに、目立つことが好きな首長や理念のない執行部がふらふらと飛びついてしまったというのが大半であろう。

 プロ市民の暗躍する自治体では呑気なことを言っている場合ではないが、東海地方の百姓がイニシアティブを握っているような自治体では心配する必要はない。ただし、支那をバックに持つ連中は強かだから、つねに監視を怠ってはいけないし、いったんその萌芽が見えたら全力で対応する気力は必要であろう。

 それに今は支那プロ市民のいかがわしさが、いろいろなところで顕在化しているので、普通の国民も注意するようになってきている。時代は確実に変っているのだ。