選挙雑感

 日曜日にワシャの近くの町で市議会議員選挙があった。有権者数が5万5千というから、それほど大きな町でもない。定員は22、これに対して立候補したのが26人であった。この選挙をみると、かなり現在の地方選挙の特徴が顕在化しているので、ちょいと分析をしてみた。

 当選した人の平均年齢は57.6歳。これはけっこう若い。若い人が議会に参画するというのは重要なことで、とくに政治などという生ものをあつかう議員は老人がやるべきではないと思っている。そういう意味では「57歳」というのは実によろし。

 次に平均期数を見てみる。3.3期か。ワシャの町では2.6期なので、それと比べるとやや高い。基本的に市町村議員など3期12年もやれば腹いっぱいだと思っている。ワシャのよく知っているアホ議員など、「1期やれば充分だ」と言っているくらいだ。

 議員の内訳を見てみよう。「無所属」というのが圧倒的に多い。とはいいながら実質は「自民党」や「労組系」の議員がその大半を占めている。

 アホ議員は、保守も保守なのだが、最大会派に居る必要性から自分だけ「自民党」に入った。通常なら、党員の拡大に協力するために家族や知人を入党させるのだが、そういったことは一切しないという変人だ。周囲からはかなりのプレッシャーを受けているようだが、そもそもアホなのでどこ吹く風といった風情である。

 話が逸れた。党派の内訳だった。「無所属」と称する「自民党」は16人か。労組系が2人、公明党2人、共産党2人というところ。党派の全体得票は労組4810、公明2346、共産2443で、これはガチガチの支援者の数と言える。全体の投票率は48.01%と市議会選挙にしては低いが、まぁ武漢肺炎騒ぎもあって選挙活動がままならず、無党派層の関心を動かすところまでいかなかったということだろう。

 そしてこれも現在の政治の特徴なのだろう。共産党議員の年齢の高さと期数の多さである。共産党の女性議員は10期目である。40年ですよ。1人の地方議員がやる年数ではない。そしてこの議会の最高齢がやはり共産党の男性議員で7期目を終われば80歳を超す。この現実は共産党にもあまりいいことではない。これを見れば、共産党自体が高齢化していることが明白になり、若手に人材がいないことの証明のようになってしまうからだ。

 いくらなんでも市議会の最長議員二人が共産党、最高齢3人の内2人が共産党では格好悪いでしょ。唯一60代で担いだ、共産党候補はあえなく落選した。公明党のようにうまく票を割ることができれば3人当選できたのにね。

 また、元職員という経歴が4人もいた。これは多い方ではある。まぁ議席の2割弱を職員の知見を持つ人材が占めるのも悪くないと思う。彼らが行政の仕組みを知っているという前提だけれども。

 ただね、かつて近くの自治体であったことなんだけれど、元職員が議員になったまでは良かったんだけど、なにをとち狂ったか急に威張り出しちゃって、職員を上から目線で叱りつけたり、顎でこき使うようになったのがいた。一発OUTで、次の選挙で落選の憂き目にあった。

 もちろん情報収集には行政マンだった頃のネットワークをフルに使えばいい。ただそっくり返るために議員になったのなら、止めておいた方が無難だろう。もう時代は変化しているのだ。

 どう周囲と連携してネットワークを構築するか、その上で情報を収集し、議会活動でどう活かしていくか。まず、一般質問のネタに困るような議員では困る。地域のドブ板ネタばかりでも底が知れる。まずは地方自治で何をしたいのか、それを自身に問いかけて、「これをやるんだ」というものを見つけていただきたい。これは期数の長短にはあまり関係がない。長期にやっていてもデモシカ議員はいくらでもいる。ここに陥ってはいけない。これは県議会議員にも国会議員にも言えることですがね。