講演と高遠と公演

 香山リカ氏の講演会が中止になったという。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181122-00000023-kyt-soci
このことに関して百田尚樹さんがツイッター上で発言をしている。
「講演会潰すのは絶対にやったらアカンことや。話の内容がしょーもなくて、それを批判するのは構わんけど、発言の場を潰して奪うのはアカン」
 まったくそのとおりで、言論を封じてしまうことは、健全な社会をつくっていく上で、極めて危険なことと言っていい。そういった意味では、今の支那中国の言論封殺が極東アジアにとって致命傷になることは間違いない。
 支那中国の話ではなかった。香山氏の講演会中止の話だった。そうそう、そう言えば、百田さんの講演会も中止に追い込まれた。ところがこの時に左筋の人々は一切口を開かず、なんのクレームもつけることはなかった。しかし、香山氏の場合は、サヨク有名アカウントの連中がゾロゾロと文句を付け始めたのだそうな。言論封殺は、百田さんでも香山氏でもアカンものはアカンのだ。片一方だけに重心を置くのは、やはり歪であり、ああこの人たちは歪な思考を持っているのだなぁと思ってしまう。

 そんな話よりも貴景勝の優勝である。3横綱大関が不在の場所をよく盛り上げてくれた。前にも言ったけれど、宇良、御嶽海などと伴に幕に上がってきた貴景勝の不敵な面構えが尊敬する上司に似ていたので、つねに声援を送ってきたが、よかった。
 それにしても白鵬鶴竜がいなくてもまったく問題がなかったなぁ。鶴竜はまだ土俵の態度がいいので、残ってもいいけれど、白鵬のほうはこのまま引退してもらっても結構だ。「心」のできていない横綱が頂点に君臨するのはいささか飽きた。いなければいないで、今九州のような場所にもなりえるのだから。
 大関の高安はまた寸でのところで優勝を逃したが、次はがんばってね。遠藤は貴ノ岩に寄り切りで勝って9勝目をあげた。よかったよかった。

 昨日、名古屋御園座で邦楽大会があった。入場チケットが4000円もするんですぞ!行きつけの料理屋の女将が舞台にあがるので「掛け声を頼むよ」と言われていた。だからいそいそと出かけて御園座の中央の席に陣取った。
 舞台には屋形船に見立てた演台があって、その前に御簾が降りている。それがするするっと上がると、そこに演者がいるという段取りだ。女将の演目は小唄で「おけさ千鳥」と「張り子の虎」。唄は孫娘で、女将は糸を担当する。
 御簾が揚がりきったところで仲間とともに「まってました!」「〇〇屋!」「◇◇会!」と声をかける。孫娘が小唄を披露して、さあ終わった。演者はお辞儀をする。こっちは孫娘の名前を呼んで「上出来!」と付け加える。これで御簾がするすると下りて、次の演者にバトンタッチ……え?御簾が下りない??なにかのミス?
 会場がざわめき出す。孫娘はきちんと頭を下げたままなのだが、おっちょこちょいの女将は頭を上げて、御簾を見上げたりしている。おいおい、ちゃんとしていろよ。見るに見かねたワシャは「たっぷり!」と声をかけた。まぁ「ゆっくりやれ」くらいの掛け声だ。そうしたら、さすが御園座だねぇ。この声を理解する人がそこここにいて、「ドッ」と受けたのだった。
 そのうちにようやく御簾が下りて、めでたしめでたしと相成ったのでございまする。