再びは生まれ来ぬ世か冬銀河

 一昨日の読売新聞の編集手帳に出ていた句がよかった。俳人細見綾子の名句である。凍てつく冬の夜、天空を見上げれば、はっとするような銀河が広がっていたりする。ああ、あの星々もまた自分と同じように今生きているんだなぁ。でも、次の瞬間には、あの星々は変わらずに輝いていても、自分はそこに存在しない。人の一生など、またたく星よりも儚いものなのだと自覚させられる。そう考えると、人と人との間の小さないざこざなんぞ、どうでもいいことのように思われる。わずかな時の間、同じ場所に同じく生きているというのは、ほぼ奇跡と言っていい。百年経てば、冬銀河は空にあっても、地の人は総替わりしているのだ。そう思えば、嫌いな人でもいとおしく思えませんか。

 思えんわい!(笑)

 まだ、ワルシャワは青いのう。