深川

 ワシャは江戸の切絵図を見るのが好きだ。だから『古地図散歩』(太陽コレクション)、『まち歩き江戸東京散歩』(人文社)、『大江戸タイムスリップ・ウォーキング』(学びやぶっく)、『古地図で歩く大江戸捕物帳』(平凡社)などを持っている。最近買ったのは『江戸寺社大名庭園』(こちずライブラリ)だった。定価1300円だったので、それほど期待はしていなかったが、A5版の薄っぺらい冊子に地図が一枚入っているだけのもの。でもね、この地図が欲しくて買ったんですよ。
 江戸期の江戸全体を俯瞰した地図を「江戸大絵図」というんだけれど、例えば(太陽コレクション)にはA0版の大古地図が付録についている。これなんか床に広げて眺めると、ちょいとした江戸気分にひたれること請け合い。
 今回入手した(こちずライブラリ)は、それと比べると少し小さい。後年に郷土史家の手が入った復刻版なので、風合いもずいぶんと違ったものになっている。だが、この(こちずライブラリ)版が、他の江戸大絵図と違うところは地下鉄や山手線の駅や線路が記入されているところである。これがあると位置関係が明確に見えてくる。
 テレビ東京の「出没!アド街ック天国」が来週、深川門前仲町界隈を特集するそうだ。ワシャは来月、上京をする。その際に深川界隈を散策しようと思っていたので、来週の「アド街」は見なくっちゃあね。
 見ると言っても、今の風景が「こんなふうになっているんだ」とか「こんなお店もあるんだ」程度の確認をするだけで、散策のテーマはずばり「鬼平犯科帳」で行こうと思っている。文庫24巻のそこここに深川周辺の風景や社寺、川、堀などが登場してくる。そういった江戸の残り香のようなものが感じられたらいいな。