東京蜻蛉返り その1

 自宅に戻ったのは午後10時を回っていた。それにしても東京へ日帰りというのはもったいない。翌日(本日)に予定さえなければ一泊して歌舞伎座にでも寄ってこれたものを、残念!
 東京ではずっと会議だった。長い会議は無駄そのものなのだが、国の官僚どもがやる会議なので牛の小便のようにひたすらだらだらと続く。

 訂正が一つ、昨日の日記で渋谷界隈と書いたけど、実は慶應義塾大学の近くの会議室だったので、三田界隈でした。だからラトビア大使館ではなく、オーストラリアやイタリア大使館が近くにあった。
 蓮舫参議院議員らの「事業仕分け」で「JICA」の本部が槍玉に上がった。麹町の一等地にオフィスがあって、家賃が20数億円だからだ。これに対して外務省の役人は「近辺に大使館があっていろいろな調整に立地条件がいいから」と答弁しておったが、近くにあるのは、イスラエルアイルランドくらいのもので、『国会便覧』に51の駐日外国公館の住所が載っているが、その内の29が港区にある。千代田区内にあるのは6大使館だけだわさ。ね、「JICA」はウソをついているでしょ。ヤツらが麹町に割高の賃料を払っても居続けたいのは、詰まらないプライドのためだけなのである。

 そんなチンケな話はどうでもいい。それよりも昼飯の話のが面白い。東品川の天王洲に蕎麦の「砂場」がある。品川駅からタクシーを飛ばして食べに行きましたがな。
 その店は旧海岸通り天王洲橋を越えてすぐにあった。木造入母屋二階建ての古い建物がしぶい。狭い店内に入ると神棚が二つ奉ってある。店内はしっかりとレトロで昭和の薫りがプンプンする。めちゃめちゃ落ちつきますぞ。「せいろ大盛り」750円を注文して、待つこと暫し。竹すのこを敷いた蒸籠(せいろう)に色白の蕎麦がどんと盛ってあるではあ〜りませんか。小皿にはワサビとネギ、そしてニンジンとピーマンの天麩羅がさりげなく添えてある。ガバッと多めの蕎麦を箸でつかむと辛口のツユにつけてズルズルと飲み込む。グググッと蕎麦が喉をこすっていく感触がなんとも言えず日本人だなぁ。旨い!お銚子が一本欲しいところだが、午後も会議なのでここは止めておく。
(下に続く)