数の論理

 どうも中国人は物事を人口で考えようとしている様子がうかがえる。
 例えば今朝の朝日新聞だ。
《一方、テレビを見た人たちの間で話題になっているのが、入場行進時にトラックの内側を取り囲んだ女性たち。「美女率も高かったね」との感想に、ある中国人は「人口が多いから、これくらいすぐに集まる」。》
 確かに入場してすぐのあたりにずらっとならんだ白いミニスカートにブーツを履いたお嬢さんたちは綺麗な中国美人ばっかりだった。日本人の10倍の漢民族がいるんだ。あややだって10人もいることになるわけですね。
 
 昨日発売の文藝春秋櫻井よしこさんが中国の論客と激論を交わしている。その中で中国人はこういったことを言う。
《いま世界の人口は毎年七千万人規模で増えていて、〇八年には六十八億人になると推測されますが、そのうち欧米や日本を含む西側諸国の人口は、多めに見積もっても約十億人にすぎません。》
 漢民族よりも少ないたかが十億の人間が北京五輪についてがたがた言うんじゃないと中国人論客は仰る。
 東シナ海の日中の境界線について、櫻井さんらが、「排他的経済水域が重なる場合は、国際常識として両国の中間をもって境界線とする」と主張すると、中国人論客はこう反論した。
《人口から見れば、中国大陸沿岸地方は沖縄の百倍です。それなのに東海(東シナ海)の線引問題を「中間線」によって解決を図ろうとするのは、公平だと思いません。》 周辺に棲んでいる人間の数が違うのだから領海を沢山よこせとこの論客は言う。
 これが彼の国の本音と見て間違いないだろう。数の力で国際的な道理を押さえこんで自らに都合のいいように物事を進めていこうとしているのだ。その割りに国内は少数の党貴族が牛耳っているんだね。櫻井さんが対談の中で何度も指摘していたが、彼の国は「ダブルスタンダード」ばかりなのだ。
 12億の漢民族が残りの1億の少数民族を押さえこんでしまったら、次に東の海上に浮かぶ小さな島に犇めき合って住んでいる日本人を狙わないという保障があるだろうか。
 中国で、開会式のテレビ視聴率が83.6%を記録した。これからも中国選手が金メダルを獲得するたびに、10億の民が狂喜乱舞するのだ……ちょっと恐ろしくないですか?