北京五輪開会式(3)

 会場いっぱいにグリーンのタイツ姿の男たちが現れた。彼らのタイツにはLEDライトが無数に仕込まれており、何色にも発光する。彼らは1000人の組体操で国家体育場(愛称:鳥の巣)の形を造った。お見事。そこに鳩の凧を揚げる少女が中空より出現し、鳥の巣に着地するのかな?と思っていたら、通りすぎてしまった。中国では鳩を食うそうだから食われちゃたまらないということしょうかね。
 グランドには教師が引率して沢山の子どもたちが登場してくる。グランドいっぱいに敷かれている大きな巻紙のキャンバスを緑色に塗り始めた。緑を取り戻そうと色を塗っているのだそうだが、おいおい、この間、緑化運動の一貫として実際の山に緑のペンキを塗って世界じゅうから顰蹙を買ったばかりではないか。自分突込みならいいけど、主賓席の皇帝から叱られないかにゃ。
 山を緑にしたので鳥が戻ってきたということなんでしょうね。周囲の観客席の上に設置してある360度の大型スクリーンに平和の象徴である鳩が無数に舞うのが映し出される。子どもたちは喜んでいる演技をしていたが、ワシャには鳩に見えなかった。どう見てもあれは蝙蝠でっせ。NHKの三宅のオッサンは蝙蝠を見ても、他のアトラクションを見ても、何を見ても「凄い凄い」と絶賛の連呼だった。もっと何かためになることを話せよ、幇間野郎。
 午後10時を過ぎて、ワシャはこの辺りから背筋が痛くなった。違った。痛いのは腰だ。背筋が寒くなった。この漢民族パワーが対馬海峡を渡って押し寄せてくることを想像してごらんなさいよ。元寇の再来ですぞ。もっとも元は漢民族ではないけれど、それでもこのパワーに襲われたら平和ボケの日本などあっという間に属国にされてしまいまんがな。事実、平和の祭典オリンピックをやっている国に配備されている核弾頭は、同時刻に原爆の慰霊祭を実施している国に照準を合わせてあるのだよ。それに日本の政治屋の中にはすでに脳味噌まで占領されてしまった輩もいるくらいだから、おちおちしてられまへんで、ねぇ泣き加藤さん、二階建てさん。
 屋根からは宇宙飛行士がワイヤーで降りてきて、グランドからは球体の構造物が現れた。何かのボックスかと思ったら、地球を模した提灯のようなものだった。その地球提灯をワイヤーで吊られた男たちが横倒しになって走り始めた。ちょうど籠の中の車輪を走るラットの逆をやっていると思ってもらえばいい。青い地球が男たちの走りとともに、だんだん赤く染まっていく。これは、いずれ地球を全部中華帝国にするぞというメッセージなのだろうか。桑原桑原。(つづく)