なのでいつもどおり。
「東洋経済」の記事、大丈夫か?
《日本のエリート層に「武士の姓」が多いという衝撃 身分を固定化する「社会的流動性」の低さとは》
https://toyokeizai.net/articles/-/836868?display=b
アンドリュー・リーというオーストラリアの元大学教授で国会議員の論を訳して載せている。記事タイトルは上記のとおりだが、おそらくこの阿呆な見出しは編集者が付けたのではないか?
《日本のエリート層に「武士の姓」が多いという衝撃》って、そもそも論者はイギリス、アメリカ、スウェーデンの例は具体的に示しているが、日本については、
《日本では、武士の姓は1868年の明治維新以前まで遡る。現在、それらの姓を持つ者は一般よりも4倍以上高い割合で、医師、弁護士、学術書の著述家になっている。》と書いているが、どこにそんな統計があるのか?まったく胡散臭い。
いいかい、日本で1番多い姓「佐藤」は、『寛政重修諸家譜』に武士の姓として載っている。2番の「鈴木」、3番「高橋」、4番「田中」、5番「渡辺」、6番「伊藤」、7番「山本」、8番「中村」、9番「小林」、10番「加藤」・・・面倒くさいのでこのへんにしておくが、要は日本の姓のトップクラスはすべて武士の名鑑である『寛政重修諸家譜』にある武士の姓である。「天野」、「荒川」、「神谷」という300番前後の姓すら武士姓である。
例えばね、29841番の「上白石」、29854番の「大京寺」、29996番の「明法寺」とかは『寛政重修諸家譜』に載っていませんが、むしろなんだか由緒のある姓のような気がしますぞ。
で、何を言いたいのかというと、武士の姓を明治維新前まで遡ろうがどうしようが、「それらの姓」と言っている姓は圧倒的多数であり、そのことをもってして《日本のエリート層に「武士の姓」が多い》とは絶対に言えない、ということだ。
阿呆な論を持ってきてマヌケな記事を適当に書いているんじゃないぞ。
ちなみに姓の順番は『日本の苗字ベスト30000』(新人物往来社)を参考にしている。出典は明かにしておく(笑)。