消防大合併 その1

 今朝の朝日新聞の政策欄に、消防庁の進める「消防の大合併」の是非を問う記事がある。概要はこうだ。
消防庁の進める「消防の広域化(5年後に人口30万人以上に1ヵ所)」の要請に従って、群馬県が「県内11箇所の消防本部を一本化するのが望ましい」という提言をまとめた。でも、メリット、デメリットはある。今後、幅広い議論が必要だ。》
 結は陳腐だが、そんなことはどうでもいい。
 消防庁は言う。
「管理部門の職員を減らし、現場に振り向けたい。そうすれば現場への到着時間を短縮できるし、専門的な知識を持った人材を育てることができる」
「デメリットは浮かばない」
 アホか!
 愛知県内に、5市の消防本部を大合併した「衣浦東部広域連合消防局」が発足した。もちろん新設された局には各市の行政・消防から人員が集められ管理部門ができた。そしてそれぞれの署にも庶務、消防団、予防といった部門が残されたままだ。消防庁官僚の言う「管理部門の職員減」は机上の空論だ。
 現場への到着時間にしても、元々、この地域は各署が相互に応援をする協定を結んでいた。市境はお互いにフォローしあっていたのだ。せいぜい、通信部門を5市合同で設置すれば事足りるのである。
 デメリットは多い。まず消防が市域を超えて拡大すると、住民から乖離を始める。消防が遠くなる。とくに災害時には木目細かい対応が必要なのだが、大型消防局の動きは必ず鈍くなる。
(下に続きます)