世の中やらせばっかりだ

 なにをいまさら驚いているのか。
 政府主催の教育改革タウンミーティングで「やらせ質問」があったと大騒ぎをしているが、そんな「やらせ」は全国津々浦々どこの自治体でも大なり小なりやっていることではないか。行政にほんの少しでも参画したことのある人なら、そういった仕組が行政運営のなかに存在することなどみんな知っている。
 確かに文部科学省の役人のやっていることは姑息だ。とくに鳴り物入りで始めたタウンミーティングだけに、その姑息さが際立ってしまったという構図だろう。そのバカさ加減は大いに笑うのはいいが、今日の「天声珍語」のように自分だけを高所大所に棚上げしての発言はどうなんでしょうね。
「やらせ質問に文科省が積極的に関わり、開催側の意向に沿った発言が出るように仕組んでいた。これは古来から会議を円滑に進めるために用いられた、段取り、根回し、すり合わせなどから大きく逸脱している」
 そう切り出して《やらせによる発言が開催地での意見や質問とされたのでは、「世論の偽造」と言われかねまい。》と糾弾している。
 ちょっとまってけろ。役人の姑息は認めた上で、ではその仕組みをしなかったらどうなったか。
 ワシャが先日聴講に行った森本さんの講演会
http://www4.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=427365&log=20061029
でも質問に立つのはある特定のイデオロギーに染め上げられた人ばかりだったよね。
 このようにこういった大人数の場所で他者の視線なぞ気にも留めずに、破綻した意見を開陳できるのはサヨク系の人に多いことは周知の事実だ。通常、良識のある慎み深い市民は人前で声を張り上げない。ということはタウンミーティングをしたとしても仕組まなければサヨクの意見が「世論だ」ということになりかねない危険性もあるということなのである。
 そして天声人語氏はこう結んでいる。
《やらせにせよ、やらせるにせよ、権力が世論やメディアを操っていいはずがない。》
 まさにそのとおりだ。そしてこの言葉が諸刃の刃であることを朝日新聞は知っているのだろうか。