走る消防団

 立冬が過ぎた。ついにワシャ家にも待望のコタツが出たのだが、1年前のこの頃はもっと寒かったですぞ。
 昨日から秋の火災予防週間に入った。(おいおい、立冬を過ぎたのだから冬の火災予防週間ではないのか?とも思ったが、役所のやることだからそういった季節感には無頓着なのだろう)
この時期、全国のどの自治体でも消防団の非常呼集・消火訓練が行なわれる。消防団好きなワシャは午後9時頃に呼集のサイレンが鳴ると近所の消防団詰所にのこのこと出掛けて行く。かわいい後輩たちの活動をあたたかく見守ってやるのが年中行事となっているからじゃ。
 去年、この訓練を見た時には、凍えるように寒かったことを覚えている。それに比べて夕べのあたたかさは異常だった。そりゃ竜巻も起きるわなぁ。

 ちょうどこの時期から山茶花が咲きはじめる。
「さざんか さざんか さいたみち たきびだ たきびだ おちばたき〜♪」は今、唄うのが正しい。サザエさんでは今でも落ち葉焚きでサツマイモを焼いているが、実際には消防法で禁止されており、またダイオキシンがどうのこうのと言うバカの存在もあって、枯葉の燃える匂いすら子どもたちに教えることができなくなった。童謡「たきび」も架空の話でしかない。寂しいことだ。
 気候も風情もどんどんと悪化しているような気がしてならない。唯一の救いは、真剣な眼差しで模擬消火活動をする消防団員のきびきびした姿だった。こいつらが元気なうちはまだ希望がある。そう思ってもう少し人界に留まってみるか。