忘れてはいけない

 新潟県中越地震が発生してから3ヶ月が過ぎようとしている。愛知県も各自治体も地震直後は「人的支援だ、物資の支援だ」と大騒ぎをしていたのが、年末にスマトラ沖地震による未曾有の津波の大被害が出るに及び、どうもその存在が霞んでしまったようにも思える。もちろんスマトラ沖の地震は深刻な被害状況でこの災害に対して国際的な支援をしていくことは当然である。
 しかしスマトラ沖の地震が起きたからといって新潟の中越地方は消えたわけではない。被災者の方々は大雪の中、不自由な避難所生活を強いられているのである。未だに同じ日本の中で災害のために苦労している人がいるということをイメージできるだけの想像力は持っていたい。
 そんな中、愛知県内のボランティアが頑張っている。中越で被害の大きかった川口町にピンポイントで支援を行っている。だがボランティア団体だけではやはり資金的な面で限界があるので、地元の大手企業などからバスのチャーター費用を捻出してもらって支援活動を行っている。
 これに対して沈黙を守っているのが冒頭に書いた自治体である。咽もと過ぎればなんとやらで、「とりあえず支援もしたし、ボランティアも送った。もういいよね」という姿勢が見え隠れする。災害復興はその緒についたばかりである。財政状況も潤沢な東海地方の自治体は今こそ中越支援に本腰を入れるべきである。