サケ漁 アイヌ民族の権利か

 昨日の朝日新聞社会面。見出しが4つも踊る。

《サケ漁 アイヌ民族の権利か》

《札幌地裁初司法判断へ》

《原告、権利回復訴え 国・道は特例で容認と反論》

《文化伝承者の宇梶さん「生き方解放してほしい」》

 いやはや笑えるのう。記事の冒頭がこうだ。

アイヌ民族が生業としていた地元の川でのサケ漁は先住民族の集団に固有の権利(先住権)か。》

 そもそも「アイヌ民族の生業」って何だ?アイヌは狩猟民族だったから、熊を獲るのも鹿を獲るのも、ドングリを拾うことさえ生業だった。これら全部を権利として認めると北海道の自然はすべてアイヌのものという話にすらなりかねない。

 記事は続けて《アイヌとは、アイヌ語で「人間」を意味する。北海道や千島列島、樺太などで暮らしてきた》と書く。これが危険なのだ。今や千島、樺太はロシヤに占領され、プーチンは自国だと宣言している。そしてこの範囲に住むアイヌと称する人を自国民と位置付けている。だから日本がアイヌを迫害したら、自国民保護の名目で北海道にロシヤ軍を進駐することだってありうる。同様のことがウクライナでも起きているからね。

 そもそもアイヌというのは日本人の中の一つのかたちでしかない。薩摩人が薩摩顔、長州人が長州顔、名古屋顔の女性というのもある。それぞれいろいろなルーツをもって日本民族を構成しているのだ。

 以前に書いた「知立(ちりゅう)」

https://warusyawa.hateblo.jp/entry/20130501/1367360043

という日記に詳しいが、「チリュウ」という地名がアイヌ語の「チリップ」(低湿地)に由来するとか、17年前の日記「能登半島地震その1」には、アイヌ語で岬のことを「ノッ」というところから「ノト」になったという説を書いている。

 現実に太古とまで言わずとも奈良・平安の頃まで、蝦夷(えみし)・アイヌは日本の中部地方にまで存在したのである。だから愛知県「チリップ」市、石川県「ノッ」半島かもしれないという説に信憑性があるわけだ。

「サケを勝手に獲るのは自分たちの権利だ」、そんなことを北海道の特定アイヌが主張すれば、石川県や愛知県のアイヌの末裔は黙ってはいないだぞ。そもそも愛知県という県名は、アイヌ県なんだぞー。「ヌ」と「チ」は似ている。2000年遡れば、矢作川のウナギも三河湾の魚もチリップアイヌが獲っていた。だから自称アイヌが文化伝承と言えば、誰にも邪魔はできないんだぞ~。

 紙面で、蝦夷(えぞ)文化伝承者のお婆さんが「サケ漁は生きること。だから生き方を解放してほしい」と訴える。

 その通りだ。チリップアイヌもノッアイヌも自由に魚を獲り、熊やシカを仕留めたいのだ。だから本土のワシャの生き方も解放してくれ!

 冗談はさておき、この記事の結びの文章が恐い。

《今さら大地を返せと言っているわけではありません。このままでは、民族の精神性を継続できなくなってしまう。だから、生きるすべだった漁業や狩猟を解放してほしい。先住権は、アイヌ民族アイヌ民族としていきる権利なのです。》

 この「民族の権利」と称するものを認めてしまうと、次の手がロシヤの軍事侵攻なのである。「先住民のアイヌを守れ!」というお題目が成立するのをロシヤは待っている。

 すでに本来の北海道アイヌの民族文化は消滅している。その証拠に、1年前の報道バラエティ「バンキシャ!」で「アイヌの猟 復活のために」という特集をやった時に、アイヌ猟師という40代の男性が登場した。しかし彼は弓矢を使わず猟銃で狩りをして、それでも獲物は得られず、同行してくれた本州から来たマタギの獲った鹿を譲ってもらっていた。それを祭壇かなんかに祀って、ワンカップ酒で祈りを捧げていた。え、そんなんでいいの?

 ならチリップアイヌに近いところに住むワシャでもできまっせ。