知立(ちりゅう)

 昨日、愛知県知立市で会議があった。何やかやで仕事が終わったのは夕方5時を回っていた。その後、知立で飲む席もあって、それまで少し時間があったので、周辺をブラブラと散策する。これがけっこう楽しい。
 さて、知立である。奈良時代にはすでに智立という郷名が三河国碧海郡十六郷の中に見られる。地名の由来は、それだけ古いと諸説が出て、確定するのが難しい。ワシャ的には、アイヌ語の低湿地を意味する「チリップ」を語源とする説が好きだ。「チリップ」説は、他の諸説の追随を許さず、古代を超えて縄文人にまで行きつく。知立の地が、北の大地まで言葉でつながっているというのがロマンチックでいいじゃないですか。
 今回、小一時間ほど知立の町を歩いて、さらにその確信を得た。名鉄知立駅から北に500mほど歩くと、傾斜が強くなってくる。ううむ、車で走ると気がつかない。知立の北には二級河川逢妻川が流れているので、そこに向かって土地が北に下がっているのだ。
 また、市街地の北側で崖のような地形も発見した。ずっと平坦なところだと思い込んでいたので驚きだった。この崖が碧海大地の北辺だな。やっぱり歩かないと実態は見えてこない。勉強になった。
 逢妻川沿いに知立神社があり、知立のコアとなる集落が形成されていったのも、その辺りの低湿地だったことを考え合わせると「チリップ」説がいかにもありそうだとは思いませんか。